Hugo Strikes Back!: 読んだ本「はじめての死体解剖―医学部新入生の16週間」

タイトル通りの本。アメリカの医学部の新入生が初めて行う16週間に及ぶ死体解剖実習に著者自ら立ち会い、学生達がその過程で何を学びどう変わっていくのかを追ったルポタージュ。ちなみに、著者のアルバート・ハワード カーターは医者ではなく大学で文学を教えているヒト。 最初、遺体をひっくり返す（最初の実習は脊髄の解剖で仰向けの遺体を俯せにひっくり返す必要がある）のもおっかな吃驚だった学生たちが、遺体を解剖し直接、皮膚や筋肉、心臓や腸といった臓器、骨、眼球、脳髄といった人体組織を肉眼で観察し、直接手で触れることによって、ヒトの身体の構造を直接的に理解していく過程において医者の卵として成長していく過程はなかなか興味深い。最初は気味の悪い死体が、バラバラにされていく過程で遺体に対して親近感（学生達には遺体の生前の名前は知らされないので、学生達は遺体にそれぞれユニークなニックネームを付けて呼ぶようになるんだけ