肱川大水害で最大級の被害地域で見た、無治水の惨状。ダム偏重による行政の倒錯と怠慢が生んだ人災 « ハーバー・ビジネス・オンライン

2018年7月7日、未曾有の豪雨によって西日本広域で歴史的な大水害が発生しました。 大きな被害が出た中でも、愛媛県、しかも伊方取材でいつも通過する肱川（ひじかわ）水系で死者の出る大水害の被害状況をお伝えしてきたシリーズもついに5回目となりました。いままでの4回に及ぶ記事でもその被害の甚大さはお伝えできたと思いますが、今回の菅田地区を取材したとき、私は思わず声を失ってしまいました。それほどまでに想像を絶する肱川治水事業の、あまりにも、あまりにも無残な実態が広がっていたのです。 前回リポートした大川地区をあとにして成能バス停を出発し、左に肱川を見ながら国道197号線を西進します。 成能バス停から3.5km西進すると、かつて沈下橋である板野橋がかかっていた地点を経て板野地区に入ります（参照：大洲・宇津橋が開通 洪水対策で路面を高く 2013年09月21日 愛媛新聞）。ここでは最近になって堤防が構

[kumicit]

大規模予算＆工事を正当化するには、災害の回数を大きく減らさないといけない。そのためには、結果として、大規模災害に対して脆弱になっても、回数の多い中規模災害を減らすことが効果的。といったところか。

[fops]

「ダムを建設しても下流に近代的な大規模堤防が建設されていなければ、ダムは治水機能をまともに発揮できません。むしろ最悪の場合、ダム自身を守るための緊急放水によって下流は見殺しにされます。」