子どもたちの中に眠っている「宝」探し――学習支援の現状と課題/西牧たかね - SYNODOS

「先生との約束を守れなくて、ごめんなさい」 それが、私の顔を見てFが口にした最初の言葉だった。 第一希望だった都立高校の入試結果が不合格だとわかった時、彼女が選んだのは２次募集の高校も夜間定時制の高校も受験せず、働くという道だった。 「アメリカに行くという夢を叶えるため、働いてお金を貯めます。」 それから２年、３つの仕事を掛け持ちして働いたが、収入の大半は家計を助けるために消え、思うようにお金は貯まらなかったという。（注） （注）「子どもの貧困」対策として、全国に広がっている“学習支援”とは何か、その現状と課題を明らかにするためには、私が中学校の教員として、また学習支援コーディネーターとして出会った子どもたちの様子に触れる必要があります。そこで、子どもたちのプライバシーを守るために、典型的な事例からFとKという二人の中学生を造形し、その架空の事例を通して、子どもたちの姿をお伝えします。 ２

[Sei]

"本当は勉強がわかるようになりたい、そんな思いをみんな心に秘めています。"この思いに身近なところからでも向き合っていかんとだ。

[BUNTEN]

「Fの理解力に驚かされることになった。一度説明したことは忘れない、他のことにすぐ応用できる。しかも、わからない時にする質問が適切であった。」こういう才能にあふれた子を眠らせてはいけない。

[fukushi_entry]

“学習支援を通じて実現できることの１つは、子どもたちが、他者、とくにおとなへの信頼を取り戻し、それを通して「おとなになることも、まんざら悪いことではない」と自分の将来に希望をもつこと”