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『海岸線の歴史』を書いた松本健一氏(評論家、作家、麗澤大学教授)に聞く
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『海岸線の歴史』を書いた松本健一氏(評論家、作家、麗澤大学教授)に聞く
視点によって歴史は違った様相を見せる --海岸線の視点から書かれた歴史書はめずらしい。 世界で初めて... 視点によって歴史は違った様相を見せる --海岸線の視点から書かれた歴史書はめずらしい。 世界で初めてではないか。12年前に着想した。当時『開国・維新』において、権力の変遷や政治の変化を書いたが、開港地や人口の動き、人の住まい方、さらには文化の動向はほとんど書くことができなかった。それを海岸線の変化の視点から対象も広げてまとめた。たとえば横浜は開港することで2000人の住民から大きく変化していく。 --エピソードの引用は文学や軍事史的なものまで広範囲にわたり、トロイアにも言及していますね。 11歳のときにトロイアの遺跡を発掘したシュリーマンの伝記を読み、シュリーマンのように生きたいと憧れた。そのときから考えると50年後の60歳になるかならないかに、やっとトロイアに行くことができた。長年不思議に思っていたことが氷解するという体験もした。 トロイアの遺跡は現在は5キロメートル内陸に入ったところに