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細谷雄一「日本が担う世界史的な役割」
複雑な世界情勢の核心をつかむには、点(=国家)と線(=2国間関係)を超えて、「面」としてとらえる視... 複雑な世界情勢の核心をつかむには、点(=国家)と線(=2国間関係)を超えて、「面」としてとらえる視点が欠かせないという。 ──世界を「面」としての国際秩序の中でとらえています。 日本はこれまで、自国と米国をつなぐ日米関係、中国と結んだ日中関係という「線」で外交を考え、その関係をより友好的にしようとしてきた。そして多くの場合に、それ自体が外交で自己目的化してしまった。例えて言えば、将棋やチェス、囲碁のように「面」として国際秩序において最終的に利益を実現しようとする発想では弱い。今、日本は世界の大きな流れから取り残されつつある。そのような危機を克服するためには、「面」として国際秩序をとらえ、その中で自らの利益と繁栄を実現するための戦略を持つことが重要だ。 ──その際に歴史という器の中に入れて展望するのが大切だとも。 歴史的な例を挙げたい。1931年に満州事変が起きた。そのときに軍や政府の首脳は