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自民党の「派閥」はなぜ求心力を失ったのか
自由民主党(自民党)は結党以来38年間にわたり政権を担い、2度「下野」(野党に転落)したが、2012年に... 自由民主党(自民党)は結党以来38年間にわたり政権を担い、2度「下野」(野党に転落)したが、2012年に政権復帰。現在は一強状態にある。本格的な政権交代の荒波を乗り越えた結果、その強靭さは以前より増しているようにも見える。 拙著『自民党――「一強」の実像』でも指摘しているが、私たちは新聞やテレビ、あるいはインターネットなどを通じて、自民党に関するかなりの量の情報を得ている。ところが、そのほとんどは政局にかかわるもの。どうしても断片的な性格を免れない。派閥、総裁選挙、政策決定プロセス、国政選挙、友好団体、地方組織と個人後援会など、分析する観点は多様だ。 その1つとして、自民党の現状を正確に理解するために知っておきたいテーマが、自民党における「派閥」の存在だ。 一般的にいって派閥とは、政党の内部に存在し、その主導権をめぐって競合する集団を意味する。豊富な政治的資源や影響力を持つ領袖がメンバーに