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『ディーセント・ワーク・ガーディアン』 (沢村凛 著) | 今週の必読 - 週刊文春WEB
さわむらりん/1963年生まれ。作家。98年『ヤンのいた島』で第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を... さわむらりん/1963年生まれ。作家。98年『ヤンのいた島』で第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。著書に『黄金の王 白銀の王』『瞳の中の大河』『夜明けの空を掘れ』『さざなみ』『タソガレ』など。 双葉社 1785円(税込) 私の勤務時間は朝六時二十分から午後三時二十分まで。「魚河岸?!」と驚かれるが、七時オープンの書店の朝番シフトだ。お店に向かうのは朝五時半。こんな時間でも、誰かとすれ違う。会社に行く人、仕事を終えて帰ってきた人。彼らに目を向けるようになったのは、本書を読んでからだ。 主人公の三村は、労働基準監督官。工場などで死亡事故が起きた場合、業務上過失致死で捜査するのが警察であり、労働安全衛生法違反で捜査するのが労働基準監督署の監督官である。 とはいえ事故はあってはならないもの。彼らの本分は事故の防止だ。工事現場からIT企業まで人の働く場である限り、三村は「柵の高さは十分か
2012/09/09 リンク