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生活保護63歳独身男性を苦しめる腰痛と貧困
乾燥機の中を紺色のジャージや下着がぐるぐると回っている。週に1度利用する自宅近くのコインランドリー... 乾燥機の中を紺色のジャージや下着がぐるぐると回っている。週に1度利用する自宅近くのコインランドリー。埼玉県内で生活保護を受けながら、独り暮らしをするタイゾウさん(63歳、仮名)は、単調な動きを眺めながらよくこんな物思いにふける。 「女房がいれば、洗濯はきっとやってくれたんじゃないか。そうしたら、私は(彼女の)そばで好きな本でも読みながら過ごしていたかもしれない。結婚、しとけばよかったなぁ……」 たそがれ時、わずかな洗濯物を抱え、痛めた腰をかばいながら猫背ぎみに歩いていく後姿は、頭髪の白さもあって実際の年齢よりもずっと年上に見えた。 高校卒業後、大学受験に向けた予備校に通うため、故郷の秋田から上京。日本はちょうど高度経済成長期の終わりに差し掛かりつつあった。結局、希望する大学には受からず、そのまま東京で働き始めた。飲食店や健康器具販売、警備会社、運送会社――。20代のころのアルバイトから最近
2017/03/21 リンク