現場で協働する人たちは、他者の発話や身体の動きを観 察しながら、同時に自己の存在(=身体)を効果的に周囲に呈示している。現場力を考察す るためには、その行為者の自己への意識がどの程度働いているか、またどのような影響をもたらすかについて知ることは重要である。だが〈意識〉は身体を駆使 した〈実践〉に先立つという近代の主知主義的な考え方に呪縛されてきた我々は、それについて十分な考察をおこなってこなかった。 反省的実践(reflective practice)とは、行為がおこなわれている最中にも〈意識〉はそれらの出来事をモニターするという反省的洞察をおこなっており、そのことが行為その ものの効果を支えているとするドナルド・ショーン(Schön, Donald A., 1930-1997)の議論のことである。ショーンは、この洞察を〈行為の中の反省 reflection-in-action〉、その行為