構想に12年をかけた『蜜蜂と遠雷』で第156回直木賞を受賞した恩田陸さん。受賞が決まった翌日(1月20日)、雑誌やテレビなど複数の取材が控えるなか、撮影前の身支度をされている恩田さんを訪ね、受賞会見の後日談、受賞作の執筆秘話を伺いました。(インタビュアー:瀧井朝世) ――このたびは『蜜蜂と遠雷』での直木賞受賞おめでとうございます。昨晩の発表から一夜明けて、そろそろ実感はわきましたか? 実感はまだないんです。まさか直木賞が自分に関係あるとは思わなかったので。ただ、会見でも言いましたが、候補にしていただけると第一線にいるんだなと思えたので、励みになったというか、ありがたかったです。 ――月並みな質問ですが、受賞後最初にどなたかに伝えましたか? また、会見後はどのように過ごされたのでしょう。 母親に電話をかけたのに出ないなと思っていたら、両親のところにも電話が殺到していて、今日になってからようや