厚生労働省が、一般財団法人・化学及血清療法研究所に、医薬品医療機器法に基づく110日間の業務停止命令を出した。 化血研は、国の承認を受けていない方法で40年以上にわたり、血液製剤を製造していた。厚労省の査察の際には、虚偽の製造記録を作成して切り抜けていた。 製薬企業にあるまじき悪質な行為だ。過去最長となる停止命令は妥当である。塩崎厚労相も、「製造販売業の許可取り消しに相当する行為だ」と強調した。 ただ、化血研は、国内に三つしかない血液製剤メーカーだ。インフルエンザなどのワクチン製造でも中核を担っている。不正発覚で出荷を自粛したA型肝炎ワクチンなどは代替品がなく、在庫品でしのいでいる医療機関もある。 厚労省が許可取り消しを避け、停止命令にとどめたのは、混乱の拡大を防ぐためだろう。業務停止中でも、供給を途絶えさせられない製品は、出荷を認める。 化血研は、不正を黙認してきた理事長ら幹部を刷新する