野田佳彦新首相による組閣に伴い2日に任期を終える江田五月法相の下では、約8カ月間の任期中、死刑執行がなかった。93年の執行再開以降、半年以上任期があり執行ゼロだった法相は杉浦正健氏(05年10月~06年9月)以来2人目。「死刑廃止を推進する議員連盟」メンバーだった江田氏は就任以来たびたび死刑廃止への思いをにじませたが、制度の存廃論議が広がりを見せることはなかった。 「私自身の生き様の中で悩み考えていきたいと思う」。8月30日の記者会見で、江田氏は制度存廃についてこう述べた。 1月の就任会見では「死刑という刑罰はいろんな欠陥を抱えた刑罰だと思う」と発言。その後撤回したが、「(死刑は)取り返しが付かず、悩ましい。世界には廃止した国もあり、(廃止が)一つの流れだろうとも思っている」と話した。 千葉景子元法相が省内に設置した死刑制度の勉強会は継続し、賛否両派の意見も聞いたが、議論に発展する場にはな