今から13年も前のことだ。地元大阪の高校を卒業し、地方の大学へ入った私は人生初の一人暮らしというものを体験していた。最初の数週間は大阪に帰りたいと思っていたが、すぐに友達ができ、寂しくはなくなった。それからは友達と深夜まで遊んでも、時には自宅で友達と朝まで飲み会をしても、誰にも叱られることのない環境にすっかり甘えてしまい、自由を謳歌していた。ずっとこんな日が続いたら、そんなことを思っていたが大学で試験が始まる7月頃になるとそんな状況は一変した。そもそも勉強が苦手で、大学受験では得意科目2教科とマークシート方式で、ほぼ偶然に合格した事もあり、徐々に周りとの学力が離れていき勉強についていけなくなった。そして、気づいたころには大学も休みがちになり、何をするにも億劫で、何度も家に誘った友達に会う事すらも嫌気がさしている自分がいた。 ある日の事、気分転換に近くのレンタルCD屋へ行った。その時、とある