酒母造りに関する用語「速醸」についてご紹介するシリーズ。今回は高温速醸について紹介します。 普通速醸をさらに簡易化したものが、俗に「高温速醸」や「高温糖化酛」と呼ばれています。 速醸より高温で糖化を進め酵母を一気に培養高温糖化酛は、麹の糖化酵素の力を最大限に利用し「糖化の適温」といわれている55℃前後で、5~7時間で一気に糖化をおこない、 酵母の培養環境をすみやかにつくり、純度の高い人工の乳酸を添加します。さらに雑菌の侵入を防ぐ環境を整えたあと、 急冷して25℃前後にして、培養優良酵母を多量に添加する方式です。 わずか1週間で酒母が生成速醸酒母と違い、麹や酒母初期の野性酵母の大部分は糖化の際の高温により死滅するので、 比較的簡単に酵母を純粋培養できます。普通速醸は20度以下で糖化を行うことに比較して、高温速醸と呼ばれています。生酛酒母は1か月、普通速醸酛は約14日間、高温速醸酛は1週間で酒