2015 年に発生したパリ同時多発テロにおいては,劇場やカフェ,レストランでのテロリストの銃撃により,多くの死傷者を出す事態となったが,フランス政府及び医療機関の迅速的確な危機管理対応および医療体制により,死傷者とりわけ死者の発生を最小限に食い止めることができた.また,フランスで開催されたEURO2016 サッカー大会においても危惧されたテロの発生を封圧した. 2020 東京オリンピックを控えテロの脅威が高まる我が国においても,事件発生時の危機管理体制及び医療体制を考えることは極めて重要であり,フランスの事例及び教訓に学ぶ.