<アメリカの路線転換に困惑するヨーロッパ諸国。ドイツが自由と民主主義擁護の新たな主導者に?>(写真:オバマ後の世界をリードするのはメルケル〔写真左〕なのか) ドイツのアンゲラ・メルケル首相は米大統領選の翌日、勝者となったドナルド・トランプへの祝辞を発表した。そのメッセージは、ヨーロッパのほかの首脳とは一線を画している。 メルケルは追従を言うことも冷たい態度を取ることもなく、ごく冷静な口調で「ドイツとアメリカは共通の価値観で結ばれている」と語った。「民主主義、自由、法の尊重。出自や肌の色、宗教、性別、性的指向、政治的信条を問わないあらゆる人間の尊厳。そうした価値観に基づいた上で、アメリカの次期大統領に緊密な協力を申し出ます」 これは祝辞の形を借りた説教だとの意見もある。米大統領選中、ひどい言動をした問題児を、巧みな言い回しで叱責した、というわけだ。 だが、こうした見方は間違っているようだ。ド