昔から自分の字が嫌いだった。 字が汚いという自覚があったし、他の人からもよく指摘されていた。 ほとんどの人の中に、女の字はきれいだという思い込みがある。 とんでもない勘違いだと思うけれど、それを否定したところで自分の字はきれいにならない。 原因はいくつかあって、まず左利きを矯正したこと。 幼稚園にあがるくらいに、祖母から矯正された。 「ぎっちょ」は良くないという、ふんわりした理由だったと思う。 いまだにボールをける時とか、投げる時は左。 書く時や包丁を使う時は右という、なんともバランスの悪いことになっている。 あとは、成長が遅い子だったとか、そもそも3月末の早生まれだとか。 そんな諸々の理由も重なって、小学校に上がってからは他の子と大きく差がついてしまい、色々と苦労した。 授業についていくのが大変で、ノートは書き終わるのに精一杯という感じだったと思う。 字が汚いという最初の指摘は、先生から