戦争が終わった昭和20(1945)年に生まれた10人のインタビュー集。東京新聞に2024年、1年間連載された記事に大幅加筆した。作家、俳優、ジャーナリスト、ミュージシャン、外交官、弁護士など、いまも活躍している多彩な面々だが、今年は皆80歳になるという当たり前の事実にまず驚いてしまう。 彼ら・彼女らは戦争は知らない。生まれたのが8月15日前であろうが、後であろうが、戦争の記憶はない。後から父母や親戚などから、いかにひどい状況の中で生まれ、生きたかを日常的に聞かされて育った。子ども時代に戦争を経験した大江健三郎や小田実(まこと)や土井たか子を「戦後」の第1世代とすれば、そのバトンをしっかりと受け継いだ第2世代と言えようか。
