空き時間読書として読んでいた國分功一郎『ドゥルーズの哲学原理 (岩波現代全書)』、岩波書店、2013)。これはドゥルーズの全体像を見通すためのいわば新しいスタンダードな概説・入門書かもしれない。年頭に取り上げた千葉雅也本、山森裕毅本などとも一部オーバーラップしているけれど(前半の、カント論、ヒューム論を通じて超越論的経験論を論じているあたりとか、プルーストのシーニュをめぐる一種の教育論のあたりなど)、そこから先のガタリとの協働作業の位置づけ(教育論から出てきたある種の限界を突き破るためだとされる)や、後半のハイライトとなるドゥルーズ流フーコー論がらみの「権力」をめぐる問題などは、やや冗長ながらも(前提となるフロイトやラカン、フーコーなどを経るからなのだけれど、議論のためにはそれらは避けて通れない)十分に刺激的なもの。とくに最後の、ドゥルーズの欲望を軸に据えた権力発生論はひときわ興味深い。た
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