生活保護費の不正受給に関する情報を住民から募る専用電話(ホットライン)が、少なくとも全国十二市で開設されたことが分かった。設置した市は「不正受給が増え、行政だけでは発見できない事案もある」と主張する。受給者の支援団体や有識者からは「生活保護の印象が悪くなって、本当に必要な人が申請しにくくなる」「監視社会を招く」との批判が出ている。国民に最低限度の生活を保障した憲法二五条の理念が失われかねない。 (上坂修子) さいたま市は二月末、ホットラインを設置。「生活保護適正化」を名目に、専用電話とメールで(1)不正受給(2)生活困窮者(3)貧困ビジネス-などの情報を受け付け、保護課や各区役所の福祉課が調査する。保護課は「市民に情報提供してもらい、早期に対応することで不正件数の削減につながればと思った」と説明する。四月末までに四十七件の情報が寄せられた。内訳は不正受給関連が十四件、生活に困っている人に関