「霊性の尺度」で見る作家たち。円空から宮沢賢治、横尾忠則、草間彌生まで「人間を超越した『何か』」と表現者との関係性を軸に展開する、グループ展「顕神の夢—霊性の表現者 超越的なもののおとずれ」が足利市立美術館で開催中だ。放浪の仏師である円空から萬鉄五郎や村山槐多、宮沢賢治、草間彌生に横尾忠則に中園孔二まで、圧巻の見応えの展示は8月17日まで。 文・撮影=中島良平 展示風景より、手前の立体は佐々木誠《久延毘古(くえびこ)》(2012) スピリチュアルな何か、霊性と呼ばれるようなものと結びついた表現は古代から生まれており、人類にとってのカタルシスになっていたはずだ。しかし現在ではそうしたものがタブー視される傾向があり、5館を巡回するこの企画展を通して「宗教以前に芸術があったことを示したい」と語るのは、足利市立美術館の次長で同館の展示を担当する江尻潔。5つに章立てされた展示を順に追いかけていきたい