ソシオサイエンス 年3月 論 文 ハンナ・アーレントとポスト・ハーバーマス的公共論 ―― 社会学におけるアーレント公共空間論の受容をめぐって ―― 権 安 理* の論が積極的に取り入れられたものであるª。 はじめに 近年,ハンナ・アーレントの思想への関心が 高まっている。 「アーレント・ルネサンス」 とい う言葉に端的に示されるように,かつてアーレ ントが読まれた文脈―― 年代後半の学生運動 年 代以 だが近年,とりわけ阪神淡路大震災以降,地域 やコミュニティにおける市民活動が注目される 渦中で,ハーバーマスの公共性・公共圏論のみ ならず,アーレントの公共空間論が注目される ようになってきた。ただし言うまでもなく, アーレントの公共空間論は,研究書が出版され た時期も,それがモデルとした対象も,ハー バーマスの公共圏論に歴史的に先行している。 アーレン