慎泰俊さん(起業家) 親から虐待を受けている可能性がある子どもを救う方法の一つに、児童相談所が緊急的に避難させる一時保護があります。しかし、保護された子どもたちが生活する「一時保護所」が、傷ついた心をケアするような場所でないことは知られていません。 私は2015年以降、約10カ所の一時保護所を訪ね、2施設には住み込んでルポを書きました。驚いたのは、一部の一時保護所における刑務所のような雰囲気です。外壁は高く、窓は閉じたままで外へ出ようとすればセンサーが鳴る。食堂には1列に並んで入り、食事中は私語禁止。学校にも通えず友達へ連絡を取ることもできません。 なぜ、こんなに厳格なのか。職員に聞くと「子どもを守るため」と言います。押しかけてくる親もおり、非行を理由に保護された子どももいる。トラブルを防ぐため、無用な子ども同士の交流は避ける、ということでした。 現状を調べたのは、立ち上げたNPOでの活動
