今年3月、「AlphaGo(アルファ碁)」というプログラムが、「世界最強の一人」といわれる棋士に勝って、ついに囲碁の世界でも人工知能(AI)が人間を打ち負かしたと話題になった。 コンピュータがチェスの世界チャンピオンに勝ったのは1997年だが、囲碁はチェスに比べて次に打てる手の組み合わせが膨大なため、「あと10年はコンピュータが人間に勝てない」と最近まで言われていた。それが「ディープラーニング」という新しい人工知能の技術で、あっけなく実現してしまった。 「理解の深い人」と「理解の浅い人」の違い ディープラーニングとは、直訳すると「深い学習」という意味になる。人間の脳にある神経回路(ニューラルネットワーク)の構造をヒントに、それを何層もの多層構造にして再現した技術だが、深い理解とか深い学習とは何を意味するのだろうか。理解の深い人と理解の浅い人はどう違うのだろうか。 最新の脳科学の研究によれば