●普及し始めたバイオメトリクス認証 生体的特徴や行動上の特徴を利用して本人認証を行うバイオメトリクス認証技術はかなり以前から使われているが、商用分野で広く使用されるようになったのは比較的最近である。特に、ここ2~3年の技術的発展には目を見張るものがあり、不特定多数を対象とする本人認証手段として、十分実用的なレベルに到達している。 現在、認証のために利用されているものは、指紋をはじめ、網膜、虹彩、顔、声紋、掌形、静脈パターン、DNA、署名、キーストロークなど、個人を識別できるあらゆる部位や行動が対象となっている。 バイオメトリクス技術が急速に発展した主な理由として次の2点が挙げられる。 情報処理能力の飛躍的向上 コンピュータを中心とした情報処理能力の飛躍的向上がバイオメトリクス技術発展の基盤となった。ほとんどのバイオメトリクス技術は、生体自体や行動から発生するアナログデータを基に、認証のため