2019年度税制改正の焦点の一つ「寡婦控除」のひとり親への適用拡大について、政府・与党は、新たに加える未婚者には所得制限を設ける方向で調整に入った。子どもの貧困対策と位置づけているためで、事実婚の世帯を適用から外すことも検討している。 寡婦控除制度は、戦争で夫を失った妻の生活を支える目的で1951年に創設された。法律婚をした後、配偶者と死別や離婚したひとり親は、所得から一定額が差し引かれるため、税の負担が軽減される。婚姻歴のある女性のひとり親は所得制限はなく、男性は年収500万円以下が対象。離婚や死別後に事実婚をしていても適用を受けられる。 寡婦控除の適用拡大を巡っては、政府・与党は、未婚のままひとり親となった人を対象に加える方向だ。しかし、自民党内には婚姻関係を重視する伝統的家族観に反するとして不満がくすぶっている。適用拡大に積極的な公明党は「『子どもの貧困』という観点で自民党を説得する