FireWallの社会学 三山 元 三山君は、私の学生さんの一人です。 彼が興味深い小論文を書いてくれたので、こちらに掲載させてもらうことにしました。(白田) 国際政治を勉強していて、一番嫌だったのはあの独特の無力感です。 国連総会では議決が行われる時、挙手をせず、反対表明を行わないと、「暗黙の了解」と理解され、賛成票になってしまいます。積極的に反対しない限り、決議には賛成してしまうことになります。 また、日本の社会にも「暗黙の了解」という原理は様々な場面で成り立っています。 でも、よく考えてみると、「暗黙の了解」が成り立つ場面というのは恐ろしく少ない事実に気付きます。この同意が成り立つ前提として、「何も言わなくても、皆がある一定の共通見解を共有している」必要があります。 国連であれば世界平和が共通見解かもしれません。日本社会では、この社会のシステムの在り方そのものが共有され
本の電子化にかぎって、グーグルの本当の狙いは何かという問題について、bookscannerさんが「直球勝負」で来た。私は当然、「見送り三振」。凄い。ど真ん中に来たのに、何度か視界から消えた。私の狭い視界から消えた部分は、まだ誰も答えを持っていない、グーグルしか、だと思うので、今後の捜査に委ねるとして、本筋の論の展開には、ただただ唸るばかり。bookscannerさんの見事な診断と処方箋はみんなの財産だと思う。もちろん、「記憶する住宅」の美崎さんの存在は計り知れないくらい大きい。 『グーグルが本の電子化で狙う「うまみ」の正体は』に応える(当面の最終)http://d.hatena.ne.jp/bookscanner/20061001 サンフランシスコで活躍した、なんていったけ、探偵から推理作家になった人、あわててグーグルで検索して、想起しました、「ハメット」のような、サンフランシスコ繋がりで
[著者抄録] 昨今のWeb2.0と呼ばれるユーザーの参加性が高い情報サービスのネットワークの隆盛は,オープンソースとオープンコンテントが交差することによって生じた結果であると考えられる。この稿では,オープンソースからいかにオープンコンテントの概念が生まれ,そしてクリエイティブ・コモンズというシステムが開発され,展開しているかということについて,基礎的な紹介と解説を行う。
New Voting Protocol Interesting voting protocol from Ron Rivest: Abstract: We present a new paper-based voting method with attractive security properties. Not only can each voter verify that her vote is recorded as she intended, but she gets a “receipt” that she can take home that can be used later to verify that her vote is actually included in the final tally. Her receipt, however, does not allo
以下の論文は、2006年8月18日に札幌国際大学図書館で開催された、第49回北海道地区大学図書館職員研究集会での講演内容を整理したものです。 1 図書館の歴史と役割 時の流れとともに失われていく情報を記録し保存することは、 人類の歴史そのものといえる。 そうした記録や保存を意識的に行っていた担い手もまた、 極めて古い起源をもつといえるだろう。記録や保存には、 石碑や壁画といった移動が困難な媒体もあれば、石板、粘土版、皮革、 紙布といった移動が容易な媒体も用いられた。 そのうち移動容易な媒体を一個所に収集し保存することは、 管理や利用の便宜を考えれば、自然な発想である。わが国でも、 書籍類を公的あるいは私的に収集することが広く行われ、 各地に文庫や書庫などが形成されていた。 とはいえ、「物」としての書籍類を収集し保管するという発想が強く、書籍類の 「内容」を広く社会に流通させるという視点に欠
10月1日付の日経新聞朝刊によると、湯川れい子さんによって、今度は書店での立ち読みがやり玉に挙げられているようです。 自分のお小遣いで新刊が買える範囲内でしか書籍等を読まない人や、読みたい書籍等を新刊で買えるだけのお小遣いがもらえる人にとっては、「立ち読み」等という所業は信じがたいところがあるのかもしれません。ただ、一般には、読みたい書籍等の数や一冊あたりの価格が上昇したからといってそれにあわせてお小遣いが増える人というのは限定されているので、「新刊を買うことなしには書籍等を読むことはできない」というシステムのもとでは、新刊の売り上げが増大して作家たちの懐が潤うということになる可能性よりも、「読書」という娯楽が一部の富裕層に許された贅沢になっていくのだろうという気がします。特に、書籍等が子供たちの知的好奇心を満足させるに足りないものとなる(子供たちがそのお小遣いで新刊が買える範囲内でしか書
また別のインターネット調査会社が、YouTube(本社:カリフォルニア州サンマテオ)のビジネスモデルの破綻を予測してきた。 Forrester ResearchのアナリストJosh Bernoff氏とTed Schadler氏は先週公開したブログに、1年近く前の正式開設時から著作権の問題に悩まされてきたことを考えると、「YouTubeが訴えられて敗訴する」のは確実だ、と記した。 同アナリストらによると、訴訟になれば連鎖反応が起こり、YouTubeは著作権で保護された素材すべての削除を余儀なくされ、専門家が制作した大半のコンテンツも削除することになる。そうなると、YouTubeには「全く面白くない」ビデオしか残らないと、Forresterの両アナリストは述べる。 YouTube関係者にインタビューを申し入れたが回答は得られなかった。 Forresterが今回の見解を示す3カ月前にも、調査会社
「水道の蛇口のように音楽を聴ける、それがNapster」──発表会で流れたビデオは、新サービスの特徴をこう説明した。月額1280円からの定額で、約150万曲が聴き放題になるNapster。「まったく新しい音楽体験を提供し、新しい音楽ファンをどんどん生み出していく」と意気込む。かつてレコード会社を震かんさせたP2Pネットワークと同名の新サービスは、低迷を嘆く日本の音楽業界の刺激になるか(関連記事参照)。 都内で開かれた発表会で、ナップスタージャパン社長を兼任するタワーレコードの伏谷博之社長は「昨秋の会社設立から1年間準備してきたサービスが午後10時から始まる」と晴れやかな表情で宣言した。 当初は春にはスタートする計画だったが、「見積もりが甘かった。初の定額制サービスということもあり、レーベルや権利者との話し合いに時間をかけた」と半年遅れでスタートにこぎ着けた。 伏谷社長。米Tower Rec
2006年前半,動画共有サイトの最大手「YouTube」が一気に話題をさらった後,日本でも大手企業が動画共有サイトを立ち上げる動きが目立ってきた。NTTグループが8月末からトライアルとして開設した「ClipLife」もそうした動画共有サイトの一つだ。 YouTubeなどブームの先駆けとなった動画共有サイトは,誰もが自由に動画を投稿でき,閲覧も無料である。一部には著作権者の了承を得ずに違法に公開される動画もあるといった問題点も含んでいる。放送事業者などの著作権者が,権利を侵害している動画の削除を要請するといったケースも頻発している。 これに対して日本の大手企業が手がける動画共有サイトは,違法性のある動画が流出しないように,投稿された映像を公開前に一旦チェックする方針を打ち出しているものが多い。NTTのClipLifeもそうしたサイトの一つで,著作権侵害などの不正な映像を半自動的に検出する技術
CCL(クリエイティブ・コモンズ・ライセンス)は、現在GPL(GNU一般公衆利用許諾書)に次いでおそらく最もよく使用されているオープンソースライセンスだ。それにも関わらず、GPL 3.0の起草が広くメディアで取り上げられているのに対し、現在進行中のCCLの改訂はほとんどメディアに注目されていない。またそれら二つのライセンスの起草者たちも、互いに相談しながら起草を行なうというようなことはしていない。しかし実はCCL 3.0の優先事項にはGPL 3.0における優先事項と同種のものが少なくない。例えば、言い回しの明瞭化、用語の国際化、DRM(デジタル著作権管理システム)問題への対処などである。中でももっとも優先すべき共通の重要事項はと言えば、主な利害関係者の要求を満たすということに他ならない。つまり、ライセンスの詳細の議論と同じくらいに苦労が絶えないのが、有力な利害関係者からライセンスに対する支
概要 CGM(Consumer Generated Media)とは、インターネットを通じて利用者からの情報提供や投稿を集めて内容が形成されるWebサイトやネットサービスなどのこと。SNSやブログ、Q&Aサイト、口コミサイト、レシピ投稿サイト、グルメサイト、写真共有サイト、動画共有サイト、イラスト投稿サイト、ウィキ(Wiki)などが該当する。 1990年代後半のWeb普及初期から電子掲示板(BBS)や個人運営の趣味的なWebサイトなどは存在したが、2000年代中頃になり、様々なテーマや形態で利用者の投稿を受け付け、主要なコンテンツとして提供するWebサイトが勃興した。これらを企業などから一方的に情報を配信する従来型のメディアと対比してCGMと総称する。 また、主要なコンテンツが企業などの制作・提供するものであっても、ページの一部に利用者から投稿された内容を表示する機能を備えたサイトも増え、
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