現在、ビットコインの裏側の仕組みであるブロックチェーン技術を音楽の流通に使うことでより透明性の高い取引を実現しようとする動きがある。音楽産業での金銭の流れは特殊で複雑だと言われるが、新たな技術がそれを大きく変えていく可能性がある。 ビットコインは中央銀行のない通貨であり、円やドルといった従来の通貨とは根本的に異なっている。物理的な紙幣や硬貨は通常存在せず、誰がいくら持っているのかという情報を一元管理する運営主体もない。にもかかわらず、ビットコインを所有したり、他人に支払ったり、他人から受け取ったりができ、なおかつ二重支払いや不正が起こらずに済んでいるのは、すべてのビットコインの取引がひとつの台帳にすべて記録・公開されているためである。その台帳がブロックチェーンである。ブロックチェーンは、それに参加するコンピュータ間で分散的に保持・管理されていて、衆人環視に置かれることで改ざんが実質不可能に