イギリスに半年間住んでいたことがある。2012年の夏から年末にかけてだ。半年とは言えイギリスの家屋に住み、イギリス人と机を並べて仕事をしていた。 イギリスの家屋は日本とはまるで設計思想が違う。気候が違うのだから当然といえば当然だけど、イギリスでは断熱効果を高め、外気を遮断し、セントラルヒーティングと呼ばれる熱した湯を部屋中に送り込んで家全体を温めるシステムによって暖を取るが、日本の伝統的な家屋は風通しを良くして自然の風を取り入れるように設計されている。 欧米の人間は行動に理由を求めるが、日本人は行動に共感を求める。 英語は言葉からしてロジカルだが、日本語は情緒的だ。 英語の一人称単数はIだけだが、日本語は「僕」「私」「俺」「わし」「おら」「おいら」「余」「我」。あとは、『朕は国家なり』の「朕」なんてのもある。 英語で主語が省略されることはほとんどないが、日本語ではしばしば主語は省略される。