「プーチン大統領に有利な形で交渉が進展していくことが危惧される」 ロシアによるウクライナ侵攻後、初めてとなる対面での米ロ首脳会談について、こう話すのは、ロシアの安全保障に詳しい防衛省防衛研究所の兵頭慎治研究幹事です。 プーチン大統領はなぜ対面での首脳会談に応じたのか。そもそもなぜアラスカで首脳会談を開催するのか。 兵頭研究幹事の話も交えて、詳しく解説します。 そもそもアラスカ州ってどんなところ? アメリカの最北端に位置する全米で最も広い州で人口は73万あまり。 石油や天然ガスなどの資源が豊富でエネルギー産業が州の経済活動の大半を占めるほか、水産業や観光業も盛んです。 ロシア本土までの距離はおよそ90キロですが、ベーリング海峡にあるロシア領のラトマノフ島とアメリカ領のリトルダイオミード島の間の距離はおよそ4キロです。 アラスカは1799年、当時のロシア帝国が所有を宣言しますが、その後、クリミ
