「一言で言えば“地銀の乱”。あそこまで急展開するということは水面下で何かがあったと考えるのが妥当でしょうな」。某銀行の幹部はこう漏らした。 2016年5月下旬、新聞各紙は一斉に「保険手数料開示見送り」を報じた。金融庁が2016年10月に予定していた銀行窓口での一部保険商品の手数料開示に対し、地銀界が収益への悪影響を懸念して反発。結局、金融庁が目論んでいたスケジュールは延期となった。 金融庁は投資信託と同様に、投資性が強い外貨建て保険や変額年金を販売した銀行に対して保険会社が支払う手数料の情報開示を迫っていた。情報を十分に開示せず、利ざやを抜いているケースが見受けられたことに加え、顧客にとって最適な商品ではなく、手数料収入の多い保険を薦めているのではという懸念があったからだ。 銀行窓口で投資信託や保険商品などを販売する、いわゆる「窓販(まどはん)」。もともとは1996年に第二次橋本内閣が進め