ロンドン出身の3ピースバンド、The xx のサードアルバムは、過去の2作品と比較すると格段にポップでメロディアス、彼らのネクストステージを強く印象づける一枚だ。The xx の代名詞でもあるクールなテクスチャー、ミニマムに構築されたアート性の高いロックサウンド、研ぎ澄まされたエレクトロビートは本作でも健在だが、ダリル・ホール&ジョン・オーツの "I Can’t Go for That (No Can Do)" をサンプリングした "On Hold" を筆頭に、そこに新たにR&BやAOR、ソフトロックのぬくもりが加わり、かつてのモノトーンの世界に色彩が加えられている。メンバーの Jamie xx のソロワークでの経験が生かされたガラージやテクノのアプローチも新鮮だ。また、10代の若さでデビューし、着実に成長してきた彼らは、本作では意図的に世界各地でのレコーディングを敢行、内向的でかたくなだ