墓石を撤去する「墓じまい」を経て、遺骨を別の墓や納骨堂などに引っ越しさせる「改葬」の件数が急増している。厚生労働省の衛生行政報告例によると、神奈川県内では2013年度は4823件だったが、23年度は8939件と2倍近くに。直近は特に増えている。背景に何があるのか。お盆を迎えている今、昨今のお墓事情を探ってみた。 「子や孫に負担を残したくなかった」 そう話すのは、伊勢原市に住む男性(78)。今年、祖父母や両親、兄らが眠る都内の墓を撤去した。自身も高齢となり都内への墓参りが困難なったことや継承者がいないことなどから、墓じまいを決断。方法が分からず「このままでいいか」と思ったともいうが、「今やらないと、いつか問題が起きる。手入れがされなくなった墓をお寺が撤去するときに、費用の請求が(子や孫に)来る。それは嫌。自分の代で終わらせたかった」 昨年12月から今年1月にかけて自治体や業者などへの問い合わ
