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中央公論社の検索結果1 - 40 件 / 201件

  • 浮世絵が陶磁器の包み紙として海を渡ったのは本当?という話。|太田記念美術館

    浮世絵に関心がある方なら、浮世絵がヨーロッパへ輸出する陶磁器の包み紙として使われていたという話を、どこかで聞いた記憶があるのではないでしょうか。それがきっかけとなって、浮世絵の素晴らしさがヨーロッパに伝わるようになった、と。 もう少しちゃんとした説明ですと、フランスの版画家であるフェリックス・ブラックモンが、陶磁器の緩衝材として用いられていた『北斎漫画』をたまたま発見。浮世絵の魅力を仲間たちに伝えたことをきっかけとして、「ジャポニスム」と呼ばれる日本美術ブームが、ヨーロッパで始まったと伝えられています。 浮世絵は、もともと日本において、安い値段で販売される紙屑同然のものでしたが、その芸術的な価値がヨーロッパの人たちによって初めて見出されるようになったという文脈でも、この話はしばしば語られています。 皆さんはこの話を聞いた時、どのような様子をイメージしたでしょうか?現在、陶磁器を持ち運ぶ際、

      浮世絵が陶磁器の包み紙として海を渡ったのは本当?という話。|太田記念美術館
    • 『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く - HONZ

      死の貝:日本住血吸虫症との闘い (新潮文庫 こ 28-2) 作者: 小林 照幸 出版社: 新潮社; 文庫版 発売日: 2024/4/24 小林照幸『死の貝 日本住血吸虫症との闘い 』(新潮文庫)が注目されている。4月24日に上梓されて以来、現在4刷、累計2万6千冊のスマッシュヒットだ。26年前の1998年に出版された本が、なぜいまこんなに注目を浴びているのか。以前より小林照幸の本を”激推し”してきた東えりかと、医学者・仲野徹が話を聞いた 仲野 『死の貝』は昔読んだ記憶があったけれど、文庫化されたのも20年以上時間が経ってからだし、こんなに注目されることってある?と不思議になりました。どうして突然文庫化されたんですか? 小林 それは新潮社さんからご説明頂きましょうか。 編集部 もともと新潮社の営業部と未来屋書店で、月に一回、情報交換の定例会議をしています。そのなかで女性書店員さんが「そういえ

        『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く - HONZ
      • 1981年に坂本龍一が選んだ140冊の本

        先日TwitterのTLを眺めていたら、1981年に当時29歳の坂本龍一がおすすめの本140冊を選出しているチラシの画像を見つけました。どうやら紀伊國屋書店による企画だったようです。 「坂本龍一が選んだ。坂本龍一の世界が見えた。The 龍一 BOOK HUNTING」と題されたこのチラシは、残念ながら誤字脱字があったり、分野別に整理されておらず見にくかったり、40年後の今日から見ると書誌情報の追加が必要だったりと難点があるので、これらの不備を補完してみました。 案外に詩集が多いことと数学書が含まれていることが興味深いですね。 「坂本龍一が選んだ。坂本龍一の世界が見えた。The 龍一 BOOK HUNTING」 【音楽】 柴田南雄『楽のない話——柴田南雄自選著作集』、全音楽譜出版社、1976年。 柴田南雄『音楽の骸骨のはなし——日本民謡と12音音楽の理論』、音楽之友社、1978年。 高橋悠治

          1981年に坂本龍一が選んだ140冊の本
        • 日本の新聞記事や放送映像で「死体」の掲載をしなくなったのはいつごろからか知りたい。参考になる資料を紹... | レファレンス協同データベース

          事例作成日 2016年01月13日 登録日時 2016/03/22 09:37 更新日時 2016/03/22 09:37 お役に立ちそうな資料は以下のとおりです。 ➀『新聞報道と顔写真』小林弘忠著 中央公論社 1998 <070.17GG/3> (21070552) 「残酷現場はいつから載らなくなったか」(p173~180) 新聞における遺体写真の掲載状況の変化について、記載があります。 ②『人権と報道を考える(法学セミナー増刊総合特集シリ−ズ39)』日本評論社 1988 <070.1W/178> (12295515) 「⑨誘拐支店長監禁事件写真報道・藤沢バラバラ事件 配慮と品位に欠けた残酷報道」 (p71-72)に 「遺体写真も含めた残酷な写真の掲載に関して、新聞各社は具体的な報道基準は決めていない。しかし遺体写真については、明文化されていない掲載基準はある。外国の戦争報道で戦争の悲惨

            日本の新聞記事や放送映像で「死体」の掲載をしなくなったのはいつごろからか知りたい。参考になる資料を紹... | レファレンス協同データベース
          • 源氏物語内に「いま『交野の少将』という小説が人気ですが」と書かれてるが、その作品が残ってないらしい。【記録する者たち】 - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

            その時に流行っているモノを作中に取り入れるとすぐに意味不明になってしまうという話の元祖「源氏物語・第二帖・帚木より」 ついでに漫画によくある、物語に関係なく作者が独り言をつぶやくってのも紫式部は1000年前にやっている。 pic.twitter.com/4LRjosjnz2— 杉村喜光:知泉(源氏物語の漫画、執筆中 (@tisensugimura) October 18, 2022 古くなりかけた流行語を登場人物に言わせて別の登場人物に「古い古い」とツッコませ、更に単行本化の時に「本当に古くなった」と作者独白を書き足した漫画家師も居らっしやいますね。 元ツイートで触れられている人でもない、本ツイートをリツイートしている人でもない、また別のひらがな漫画家で。— detcha (@detcha4) 2022年10月18日 司馬遼太郎が多用して、小説らしくなくなり、司馬本人が「小説の作り方なんて

              源氏物語内に「いま『交野の少将』という小説が人気ですが」と書かれてるが、その作品が残ってないらしい。【記録する者たち】 - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-
            • まず読みたい100冊

              I. <まず読みたい図書> 1)全学生向きの図書 著作名 著者・編者名 *シリーズ名な ど 出版社 西暦発行年 現在書店で 入手が可能 か(○または ×) 筑波大学図書館 での所蔵の有無、 ある場合は配架番 号 *その他の情報 紹介コメント(80字以内) 三四郎 夏目漱石 岩波文庫 岩波書店 ◯ 081-I95-G10-6 漱石が明治時代の大学生を描いた名作です。自分と比べて見るのも一 興。 地獄変・偸盗 芥川龍之介 新潮文庫 新潮社 ◯ 無 各作品は図書館所蔵 の他の版で読むこと ができる。 何百もの小説を残した芥川。「羅生門」だけじゃ物足りない。 万葉集と日本人:読み継がれる 千二百年の歴史 小川靖彦 角川選書 KADOKAWA 2014 〇 911.12-O24 古典と呼ばれる作品が現代までどのように読み継がれてきたのか、そして それは書物(モノ)としてどのように伝えられてきたのか。

              • 海外文学入門者に贈る海外文学の買い方、選び方、探し方【レーベル解説編】 - ウラジーミルの微笑

                もうすぐ絶滅するというリアルの書店に寄せて(下) この記事は、海外文学の世界を渉猟するためのガイドマップとなることを目指している。 後編である本稿では、各出版社/各種レーベルの解説記事を載せている。なお、いずれも書き手の強い独断と偏見で書いているため、異なる意見もあるかもしれない。また、取捨選択をして書いているため、網羅性はない。そのあたりはぜひご容赦いただきたい。 前編には海外文学にまつわる基本情報を書いているので、そちらも併せてお読みいただきたい。 岩波書店 重版出来 言わずと知れた老舗出版社。我が国の「文庫」の創始者である。海外文学に関しては、「文庫書下ろし」*1が多いが、現代文学作品がまれに単行本で刊行されることもある。 出版社URL:https://www.iwanami.co.jp/ 直販サイト:なし(出版社サイトから注文は可) 岩波文庫 帯*2の色でジャンル分けをしており、白

                  海外文学入門者に贈る海外文学の買い方、選び方、探し方【レーベル解説編】 - ウラジーミルの微笑
                • 息切れせず働き続けるために必要だった“平熱”の日常|文・宮崎智之 - りっすん by イーアイデム

                  日々の生活や仕事を継続するなかで、ときにお酒を飲んだり、友人とパーッと遊んだり、外部の刺激を取り入れることは重要です。しかし、それらに過度に頼り過ぎてしまえば、知らず知らずのうちに心身に不調をきたすことも考えられます。 フリーライターの宮崎智之さんは、数年前まで事あるごとにアルコールに頼り、不安を打ち消すようにテンション高く仕事に取り組んできたといいます。ただ、そんな生活を続けるうち、いつしか身体はボロボロに。以来、断酒を始め、息切れしない「平熱」の働き方を模索するようになったそうです。 今回は、作家・吉田健一の言葉をヒントに、断酒してからの5年間を振り返っていただきながら、息切れしないための働き方について執筆いただきました。 破綻を迎えたアルコールに頼った生活 息切れせずに働くのは難しい。特に根が真面目な人は、息切れするまで働かなければ、働いた気がしないのではないか。少なくとも僕はそうだ

                    息切れせず働き続けるために必要だった“平熱”の日常|文・宮崎智之 - りっすん by イーアイデム
                  • 「憲法には究極の理想を盛り込めばいいのだ」という発想は、むしろ『立憲主義』から遠い、という話〜5月3日に寄せて - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

                    続いて信濃毎日に「憲法記念日によせて」760字。憲法と現実は「乖離していて当然」という話を書きました。「憲法は空語である。空語で何が悪い」という話です。なんとか宣言というのはすべて空語です。人権宣言も独立宣言もシュールレアリスム宣言も未来派宣言も、すべて空語です。— 内田樹 (@levinassien) May 2, 2023 ※以下、内田氏の連ツイで続いています。クリックすれば読めます。一応、この記事も後ろにつけておこうかな… 「憲法は理想を宣言するものだから現実とは乖離していて当然で、憲法の条文を変える必要はない」というのは、一つの立場としてはありですが、それは「立憲主義」とは全く違う別な何かでしょう。 (今の条文を維持するという意味では「護憲主義」の一種かも知れませんが)https://t.co/LslR7C3dDo— Shin Hori (@ShinHori1) May 2, 20

                      「憲法には究極の理想を盛り込めばいいのだ」という発想は、むしろ『立憲主義』から遠い、という話〜5月3日に寄せて - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-
                    • 世界史をやり直したら、自分の時代錯誤に気づいた

                      まず、自分の歴史認識が古いこと。 学校で習った「歴史」は、石油危機と東西冷戦のあたりで終わっている。そして当然、私が生きているあいだも歴史は書かれていく。 しかし、私はそれらを「ニュース」として知る。 メディアやネットを通じた出来事として接する。大きな事件や紛争の報道には、そこに至る経緯も解説されるが、それだけだ。私は少し心を痛め、赤十字に募金し、次のニュースを見る。ニュースは上書きされ、私の関心や、日本との関わりが遠いほど速やかに流されてゆく。 食糧問題は解決した? 例えば、飢餓人口について。 どこかで「飢えに苦しむ人は大幅に減少している」と耳にしたことがあった。食糧問題や貧困は大きく解消に向かっているという主張だったと記憶している。 しかし、サハラ以南ではここ半世紀一貫して増加していることを知った(下図参照)。また、世界全体から見ても、2014年を境に増加に転じていることが分かった(※

                        世界史をやり直したら、自分の時代錯誤に気づいた
                      • 正岡子規の「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」という俳句の後に「それにつけても金の欲しさよ」と下の句を続け... | レファレンス協同データベース

                        正岡子規の「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」という俳句の後に「それにつけても金の欲しさよ」と下の句を続けたものを見たが、意味のつながりがわからない。解説してある資料はあるか。 「それにつけても金の欲しさよ」は、金欲し付合(つけあい)と言われるもので、連歌でどんな上の句につけてもそれらしく聞こえるという。江戸中期に流行した。前半の句との関連はない。 古い記録では、藤原行定著『雑々拾遺 二』(1695(元禄8)年)に山崎宗鑑(1465?-1553?)(連歌師・俳諧師)が使ったことが記されている。『雑々拾遺』は早稲田大学古典籍総合データベースで閲覧可能。 このエピソードは、向坂咬雪軒「老士語録」(1731(享保16)年序)にも書かれており、天野政徳(1784-1861)(国学者)が随筆集『天野政徳随筆』(刊年不明)の中で「宗鑑の句」と題して「老士語録」を引いて紹介している。『天野政徳随筆』は『日本随

                          正岡子規の「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」という俳句の後に「それにつけても金の欲しさよ」と下の句を続け... | レファレンス協同データベース
                        • うおおおおおノベルス雑語りしたくなってきたー!!!!

                          ノベルスがライトノベルか否かって言われたら雑なノベルス語りをしたくなってきたぜ!!!!! ということでしていきます ライトノベルとノベルスの違いそもそも「ライトノベル」と「ノベルス」を分ける定義の人たちってのは昔から連綿と存在していて、例えばノベルスって言うとどういうものかっていうと以下のようなレーベルです 光文社のカッパ・ノベルス中央公論社のC★NOVELS徳間書店のトクマ・ノベルズ講談社の講談社ノベルス、講談社BOX集英社のJUMP j BOOKS等々…… さて、ライトノベルとどう違うの?と言われると、ものすごい簡単にいうと「文庫か新書か」という分け方になる ライトノベルは主に「文庫」で書かれているレーベルを指すことが多く、ノベルスは「ノベルス版(新書版)」と呼ばれるちょっと細長い感じの本で二段組で書かれているものを指す。 違いはそれだけか?と言われるとまあそれだけなんだが、もうちょい

                            うおおおおおノベルス雑語りしたくなってきたー!!!!
                          • 国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで読めるフランス現代思想|MasakiUeta

                            人類学篇が人気だったので、たぶん求められているだろう──いや、作成者自身が求めている──フランス現代思想版をつくりました。例により作成者は専門家ではありません。またおそらく漏れているひともたくさんいます(特に1900年以前に生まれたひとは適当)。なにとぞご了承ください。 2024年6月1日 植田将暉 (6月5日更新) アンソロジーJ.デリダ ほか著 ほか『現代フランス哲学12講』,青土社,1986.10. 〔レヴィ゠ストロース、フーコー、バルトとの対話〕レーモン・ベルール 著 ほか『構造主義との対話』,日本ブリタニカ,1980.2. ジャン=ルイ・ド・ランビュール 編 ほか『作家の仕事部屋』,中央公論社,1979.5. 1900年代以前の生まれガブリエル・タルド(1843–1904)タルド 著 ほか『タルドの社会学原理』,岩波書店,1923. ガブリエル・タルド 著 ほか『模倣の法則』,而

                              国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで読めるフランス現代思想|MasakiUeta
                            • 五〇年間ずっと嘆き続けながら問題を放置した日本社会 - 山下泰平の趣味の方法

                              放置され続けた苦学問題 世の中には様々な問題が存在している。問題を解消すると問題は消滅するわけだが、別に死ぬわけでもないだとか、面倒クセーだとか俺は困ってない、テレビでスーツ着た奴がなんかしゃべってたしこの政党で良いのでは? などといった理由で、問題が放置されることは多い。こういうことは昔からあることで、私は諸事情があり戦前の苦学について調べていたのだが、苦学が抱える問題も50年程放置されている。戦前の苦学が抱えていた問題の中には、今もまだ解消されていないものがなくもないため、100年以上としてもいいかもしれない。 戦前の苦学は、完全に破綻している。当時理想とされたスタイルで苦学すると、死ぬか犯罪者になるかの二択である。天才だろうと超能力者だろうと大詐欺師だろうと、苦学には失敗する。 cocolog-nifty.hatenablog.com 早々に逃げればなんとかなるが、馬鹿正直に苦学を続

                                五〇年間ずっと嘆き続けながら問題を放置した日本社会 - 山下泰平の趣味の方法
                              • 『ちむどんどん』1972年にペペロンチーノ対決は「まさかやー!?」時代考証から考察(畑中三応子) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                イタリア料理の時代考証から見て違和感の連続 なにかと話題を、ときには反発も呼んでいるNHK朝ドラの『ちむどんどん』。主人公の暢子が銀座で「アッラ・フォンターナ」の扉の前に立った瞬間から、イタリア料理の時代考証に違和感を持ち続けていたが、女主人にペペロンチーノ対決を挑むという第7週のストーリーは、あっと驚く「まさかやー」だった。 超シンプルなレシピで対決するという話自体はおもしろいし、ペペロンチーノに施した二人の工夫は素晴らしかったが、この時代のどの雑誌や料理本でも「ペペロンチーノ」というスパゲッティのメニュー名を見たことはないし、いくつかの理由から設定に無理があると感じた。 暢子が東京にやって来たのは、沖縄返還の1972年。まず、その頃の銀座に戦後アメリカ経由で入ってきたスパゲッティやピザ中心の店はあっても、「アッラ・フォンターナ」のような本格的なイタリア料理の高級レストランがあったか疑問

                                  『ちむどんどん』1972年にペペロンチーノ対決は「まさかやー!?」時代考証から考察(畑中三応子) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                • カンボジア内戦でポルポト政権の虐殺が軽視された経緯は、ロンノル政権の虐殺を重視した取材回想を読むと少し理解できる - 法華狼の日記

                                  アフガニスタンの混乱を受けてか、かつて朝日新聞に掲載されたカンボジア紛争の記事が再注目されているようだ。 hokke-ookami.hatenablog.com くわしくは上記エントリに書いたが、「アジア的な優しさ」は首都進攻が穏健に見えたことを評しており、それも対立するポル・ポトとロン・ノルの双方に見いだしている。 良くも悪くも希望的観測にすぎないことは疑問符などから明らかだし、少なくともポル・ポトひきいるクメール・ルージュが政権をとった後を評したものではない。 共産主義をふくめて革命には粛清がつきものという見解も明らかにしている。「プノンペン解放」に期待したのは親共産主義だからだとか、そういう単純な状況ではなかったのだ。 当時のカンボジアの混乱について、主にシアヌーク政権からロン・ノル政権のクーデターまでを取材した回想記がある。2018年に亡くなった元産経記者で日本国際問題研究所*1の

                                    カンボジア内戦でポルポト政権の虐殺が軽視された経緯は、ロンノル政権の虐殺を重視した取材回想を読むと少し理解できる - 法華狼の日記
                                  • 現代日本にも引き継がれた戦時下の労働問題《航空機増産を妨げた労働者の欠勤問題》|蒼崎青太郎

                                    今から79年前、日本は、ケタ違いの国力を有する、アメリカ合衆国を始めとした連合国を相手に、アジア・太平洋地域で戦争を始めた。始めた要因についてはもちろん様々な事情があるわけだけが、それについてはここでは言及しない。しかし、国が滅びかける程の大敗北を喫したが、思えばあれだけの大国を相手に、3年8ヶ月にも及ぶ大戦争をよくやってのけたものだとも思う。 何かと悲惨な作戦や、本土での空襲ばかりが語られる戦争であるが、ここでは銃後の国民生活、特にその労働問題について触れていく。これから言及していく労働問題は現代の日本社会にも深刻な問題として今なお根付いている。 太平洋での戦争は空の戦いだった 第二次世界大戦における太平洋戦線での戦い(大東亜戦争・太平洋戦争)は、空の戦いだった。戦闘を有利に導くためには、制空権を確保しなければならず、そのためには何よりも強力な航空兵力が必要だった。しかし、日本軍は昭和1

                                      現代日本にも引き継がれた戦時下の労働問題《航空機増産を妨げた労働者の欠勤問題》|蒼崎青太郎
                                    • 矢口高雄『9で割れ!!』—昭和銀行員の奮闘記+矢口版『まんが道』と一粒で二度おいしい一作 | マンバ通信

                                      『9で割れ!!』 有名漫画家の過去をたぐると——やはり、まずアシスタント出身者が多い! 大学漫研出身者も多い! そして、なんと、われらの「世紀のハンサムボーイ」矢口高雄は? 銀行員出身である!!(GYAAAN) ……と、いきなり『プロレススーパースター列伝』(梶原一騎+原田久仁信)のセリフ改変で話を始めましたが、昨年に亡くなられた釣り漫画の巨匠・矢口高雄は、高校を卒業した昭和33年(1958年)4月から10年以上羽後銀行(秋田あけぼの銀行と合併して現在は北都銀行)で銀行員をした後に、30歳という当時としてはかなり遅咲きのデビューをして漫画家になったという、けっこう異色の経歴の持ち主として知られています。ちなみに、「世紀のハンサムボーイ」というのは、賢明なる『釣りキチ三平』の読者ならおわかりでしょうが、作中に作者本人が登場して解説をするシーンでそう自称するのがお約束だったことによります。 『

                                        矢口高雄『9で割れ!!』—昭和銀行員の奮闘記+矢口版『まんが道』と一粒で二度おいしい一作 | マンバ通信
                                      • 東北地方のアイヌ語地名を科学的に分析する:古代の北日本と先住民族史の研究|ヘンテコだよねノート

                                        はじめに 本稿では、特に前編で科学とは何かということを正しく説明するように努めている。日常生活の中で「科学的~」という言葉を見聞きすることはあっても、何をすれば科学的で、何が非科学的なのかということは、人によって理解に差があるかもしれない。科学とは、一定の方法論に基づいて研究を行う認識活動のことであり、自然科学以外にも人類学・考古学・言語学・社会学・国際政治学などの学問も、科学的な理解に基づいて研究されている。日本語やアイヌ語のアルファベット表記も、科学的知見に基づいて考案されたものである。しかし、何をすれば科学的と言えるのかは個々の分野によって異なるので、よく分からないことが多いかもしれない。本稿のひとつの目的は、アイヌ語地名のための科学を説明することにある。 また、北海道の歴史年表を見てみると、中世以降に「アイヌ」という名称が出現するので、アイヌ民族の歴史もその時点から始まったと考えて

                                          東北地方のアイヌ語地名を科学的に分析する:古代の北日本と先住民族史の研究|ヘンテコだよねノート
                                        • 国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで読める人類学系の翻訳書(著者篇)|MasakiUeta

                                          とりあえずつくった暫定版です。主要な人類学者(岸上伸啓ほか『はじめて学ぶ文化人類学』ミネルヴァ書房、2018年などを参考にしました)の翻訳書のうち、国会図書館デジタルコレクションの(主に)個人送信サービスで読むことができるものを集めています。※ 個人送信サービスの説明や登録方法はこちら。 おもに2024年4月末の追加によって、1995年ごろまでの絶版書目を中心に、多くの文献(とくに各分野で「古典」とされているようなもの)が登録すればオンラインで読めるようになっています。これはすごい! 暇をみて更新するつもりですし、テーマ・地域別のリストも作成したいし、日本人の著者についてもまとめたいと思っている(今回は多すぎたので断念)のですが、そんな余裕はないかもしれません。ぜひ誰かやってください。また作成者は人類学の専門家ではありません。漏れがあったり、主要な人類学者の選定に論争性があったりするのかも

                                            国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで読める人類学系の翻訳書(著者篇)|MasakiUeta
                                          • 2020年の本 - Valdegamas侯日録

                                            過去のログを漁るとまるで言い訳の変遷がボージョレ・ヌーボーの評価のようであるが、本当に今年もろくに本を読まない一年であった。Twitterで報告したとおり、私事でも色々あり、世の中はコロナに見舞われた。在宅勤務が増える中で読書がはかどるかとも一瞬思ったのだが、そんなことはなく、人間は読書の習慣が鈍ると本を読まなくなるのだと反省の思いが強くあった。来年からは是正しなければならないとかなり深刻な反省を覚えるところがあったが、それはそれとして今年出た本で印象に残った本を取り上げることとする。 ■印象に残る研究あれこれ どのような脈絡をつけたものか考えたが、ランダムに取り上げることとした。まず一冊目として取り上げたいのは川名晋史『基地の消長 1968-1973 日本本土の米軍基地「撤退」政策』(勁草書房)である。本書は基地問題をめぐる政治学を研究対象としてきた政治学者が、1960年代後半に本格化し

                                              2020年の本 - Valdegamas侯日録
                                            • 『鬼滅の刃』鼎談企画 文学・思想編(長谷川晴生×藤崎剛人×髙橋優):文化の旅へ急がず焦らず参ろうか|髙橋優

                                              (2024年2月18日追記) 本記事の剽窃が発覚しました。詳細はこちらの記事をご参照ください。 はじめに 前回鼎談(歴史編)に引き続き、ゲストを入れ替えて『鬼滅の刃』に関するオンライン鼎談を実施した。今回は「文学・思想編」と題して、文学・思想研究者の二人をお招きした。前回鼎談のテーゼを踏まえつつも、また別の着眼点から議論を尽くすことで、『鬼滅の刃』をさらに立体的に把握することが可能となった。私としても、切り口一つで作品の風景を一変させられる批評という営みの豊かさを再認識することができ、大いに刺激を受けたところである。以下では、歴史研究とはひと味もふた味も違う文学・思想研究の奥深さ、その一端が読者諸賢の眼前に広がることだろう。 参加者(敬称略) 長谷川晴生(はせがわ・はるお) 最近は「ヨーロッパの右翼に詳しい人」という扱いを受けているものの、本人としてはドイツの文学と思想を学んでいるつもり。

                                                『鬼滅の刃』鼎談企画 文学・思想編(長谷川晴生×藤崎剛人×髙橋優):文化の旅へ急がず焦らず参ろうか|髙橋優
                                              • 憲法学の散歩道第38回 ソクラテスの問答法について

                                                はせべ・やすお  早稲田大学法学学術院教授。1956年、広島生まれ。東京大学法学部卒業、東京大学教授等を経て、2014年より現職。専門は憲法学。主な著作に『権力への懐疑』(日本評論社、1991年)、『憲法学のフロンティア 岩波人文書セレクション』(岩波書店、2013年)、『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書、2004年)、『Interactive 憲法』(有斐閣、2006年)、『比較不能な価値の迷路 増補新装版』(東京大学出版会、2018年)、『憲法 第8版』(新世社、2022年)、『憲法学の虫眼鏡』(羽鳥書店、2019年)、『法とは何か 新装版』(河出書房新社、2024年)ほか、共著編著多数。 筆者はいわゆるロースクールに所属している。法曹養成を任務とするロースクールでは、ソクラティック・メソッドと呼ばれる問答を通じた教育が推奨されている。アメリカのロースクールでは、そうした教育方法が

                                                  憲法学の散歩道第38回 ソクラテスの問答法について
                                                • 90年代ウェブ小説の書籍化|飯田一史|monokaki―小説の書き方、小説のコツ/書きたい気持ちに火がつく。

                                                  オンライン小説の歴史は、パソコン通信やインターネットなどオンライン通信の歴史と同じくらいの長さがある。 たとえば1981年元旦に発足した小田原マイコンクラブのBBS「マイコンセンター」上に原田えりかによって85年8月頃から約3年にわたって毎日、全1038回書かれたSFファンタジー「シシャノミルユメ」がおそらく日本初のオンライン連載小説だろうと目されている(小口覺『パソコン通信開拓者伝説』小学館、98年、48-52p)。 本来ならばストレートにオンライン小説、なかでもWWW(ワールドワイドウェブ)上に書かれたウェブ小説の歴史自体を辿っていきたいところだが、サイトや作品は時代とともに消えていくことが多く、のちの世の人間が整理することは難しい。 そこで、この連載では奥付が刻印される「本」を軸に確実に辿ることのできる「ウェブ小説書籍化の歴史」、つまりウェブに書かれた小説はいかにして本になってきたの

                                                    90年代ウェブ小説の書籍化|飯田一史|monokaki―小説の書き方、小説のコツ/書きたい気持ちに火がつく。
                                                  • 【2020年9月版】世界史関連の新刊50冊 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

                                                    2020年6月〜2020年9月の世界史関連の新刊の紹介 新型コロナウイルスの影響で各社延期していたのが一気に出たのか偶然かは分かりませんが、今期は世界史関連の本が多かったです。いつもは30冊の紹介ですが、今回は50冊紹介いたします。 この記事ですが、ブックマークしてメモ代わりに使ってもらえるといいと思います。ぼくも大型本屋に行ったときは、この記事を見ながら本探しをしています。 それでは参ります。 1. 『岩波新書〈シリーズ 中国の歴史〉 5 「中国」の形成 現代への展望』 岡本隆司 著 岩波新書 2020/7/17 「中国」の形成 現代への展望 (シリーズ 中国の歴史) 作者:岡本 隆司 発売日: 2020/07/18 メディア: 新書 さまざまな勢力が併存、角逐する一七世紀。そのカオスを収拾し、東アジアに君臨した清朝の「盛世」から、多元共存システムがほころびをみせる一八世紀。西洋の衝撃、

                                                      【2020年9月版】世界史関連の新刊50冊 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
                                                    • 『鬼滅の刃』で煉獄さんが食べていたのはなぜ「牛鍋弁当」? 食文化史から考察(畑中三応子) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                      10月10日からフジテレビ系でテレビアニメ『鬼滅の刃 無限列車編』の放映がはじまった。劇場版の冒頭で煉獄が「うまい!」を16連発し、大量の牛鍋弁当を爆食する。第1話「炎柱・煉獄杏寿郎」では、そのいきさつがわかる序段が、完全新作エピソードとして描かれた。 無限列車に乗る前、煉獄は切り裂き魔に殺された車掌の遺体が発見された駅へ赴き、弁当売りのおばあさんと孫娘の命を救う。お礼にと、1個の牛鍋弁当を手渡す2人に対し、ありがたく受け取って残りの弁当はすべて購入した煉獄。それが、大量の弁当を食べるシーンにつながるというわけだ。 この回は、煉獄が蕎麦をすする場面ではじまり、あんぱん、『家庭洋食割烹法』という料理書が登場するなど、食べ物の描写が多かった。そもそも、どうして弁当は牛鍋なのか、食文化史から考察してみたい。 明治維新で「肉を食べること」が国策になった 鬼滅の刃の時代設定は、大正時代初期の1910

                                                        『鬼滅の刃』で煉獄さんが食べていたのはなぜ「牛鍋弁当」? 食文化史から考察(畑中三応子) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                      • ガルシア=マルケス『百年の孤独』文庫版に筒井康隆氏による書き下ろし解説の収録が決定。装画はBirkenstockやGucci、「虎に翼」で知られる三宅瑠人氏!

                                                        ガルシア=マルケス『百年の孤独』文庫版に筒井康隆氏による書き下ろし解説の収録が決定。装画はBirkenstockやGucci、「虎に翼」で知られる三宅瑠人氏! 株式会社新潮社は6月26日、ガブリエル・ガルシア=マルケスの代表作『百年の孤独』を新潮文庫より刊行します。文庫化発表から大きな注目を集めてきた本作ですが、解説者や装幀・造本の詳細を発表いたします。 ■筒井康隆氏による書き下ろし解説を収録 本書巻末には小説家、筒井康隆氏に解説をご寄稿いただきました。筒井氏はSF同人誌「NULL」を創刊し、江戸川乱歩に認められて小説家として出発。中央公論社が発行していた伝説の文芸誌「海」の編集長・塙嘉彦氏と出会い、「もっと前衛的なものを書いてくれ」と求められました。同誌の海外文学特集に触発されながら、『虚人たち』『虚航船団』『残像に口紅を』『モナドの領域』といった傑作を次々と発表。60年以上の作家人生で

                                                          ガルシア=マルケス『百年の孤独』文庫版に筒井康隆氏による書き下ろし解説の収録が決定。装画はBirkenstockやGucci、「虎に翼」で知られる三宅瑠人氏!
                                                        • 研究成果を学ばず、参考にした文献も表示しない粗雑な思いつき本:井沢元彦『聖徳太子のひみつ』 - 聖徳太子研究の最前線

                                                          「時空を越えた極上の歴史エンターテインメント!」と謳っているものの、勉強不足で思いつきばかりが目立つ粗雑な聖徳太子本が刊行されました。 井沢元彦『聖徳太子のひみつ』 (ビジネス社、2021年12月) です。表紙では、題名の横に「「日本教」をつくった」と記されています。 井沢氏は、研究者の研究を軽んじて空想をくりひろげた梅原猛路線を受け継ぎ、問題の多い歴史本を数多く出していることで有名です。今回の本もその一つですが、そもそも副題のような「「日本教」をつくった」という部分が問題です。 「日本教」という言葉を書物の題名にして有名にしたのは、イザヤ・ベンダサン著・山本七平訳という形で『日本人とユダヤ人』を、山本氏が社主をつとめる山本書店から1970年に刊行してベストセラーとなり、続く『日本教について』(文藝春秋、1972年)でも大いに話題を呼んだ山本七平氏です。 山本氏は、1977年には『「空気」

                                                            研究成果を学ばず、参考にした文献も表示しない粗雑な思いつき本:井沢元彦『聖徳太子のひみつ』 - 聖徳太子研究の最前線
                                                          • 文庫・新書の創刊のことば

                                                            文庫や新書のシリーズ・レーベルには、巻末に刊行の辞、創刊の言葉が掲載されているものがある。最近、そうした言葉を眺めるのがちょっとした個人的ブームになっている。 雑誌の創刊号マニアだという人もいるし、文庫のあとがきや解説・解題が好きだという人もいると思うのだけれど、そんなイメージか。 雑誌の数より文庫・新書のほうが数は少ないだろうと思っていたが、それでもまだ全然収集し終える気配がない。折角だからこれまで読んだことのないレーベルを読んでみようかと考えていたら、めっちゃ時間かかる。 なぜか電子書籍版だと載っていなかったり、創刊当時は載っていたのに現在は不掲載になっているものもある。 やってるうちに文庫・新書以外にも拡大しつつある。 そんなこんなで途中の段階だけれど、一旦公開して随時更新することにする。著作権的な抗議を受けなければ。 刊行の辞には、出版社がどういう狙いで新しい書籍ブランドを立ち上げ

                                                              文庫・新書の創刊のことば
                                                            • 闇に葬られかけた昭和期の「性加害」 公然の秘密だった、学者・折口信夫のセクハラ | 歴史人

                                                              連日、話題となっているジャニー喜多川氏の性加害問題。「公然の秘密」として黙認されてきたこともこの問題の異常性とされているが、同じように闇に葬られかけた性加害があった。それが、カリスマ的な学者であった折口信夫(おりくちしのぶ)による弟子たちへのセクハラである。「布団の中に潜り込んで襲っても、セクハラが暗黙の了解となっていて誰も騒がなかった」「折口の死後、被害者が事実を語ると批判を浴びた」など、ジャニーズ問題で報道されている内容と類似点も多い折口の事件について、経緯を見ていこう。 ■立場を利用して弟子に迫った学者・折口信夫 日本中を騒がせている故・ジャニー喜多川氏による性加害問題。BBCで放送されたドキュメンタリー「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル」では、かつてジャニー氏から性加害を受けながらも、今でも彼のことが大好きだという男性について、ジャーナリストが「グルーミングを受けた結果だ

                                                              • 【最難解名著リスト】おすすめの教養となる本(哲学書)の古典的名著30冊。古典とは何かを知り教養を身につけるおすすめの難しい本  - 日々是〆〆吟味

                                                                初心者向けのリストは以前に書いたものがこちらにあります。最初に哲学書を読もうと思われたら下記のリストのほうがいいかもしれません。 waka-rukana.hatenadiary.com 最難解な哲学書 30冊 選ぶ基準 1.歴史的評価の高いもの 2.分厚いものや巻数の多いもの 3.翻訳も難しいとされているもの 4.西洋哲学の範囲内のもの 5.哲学以外の本も若干含まれる 古代 8選 『ソクラテス以前哲学者断片集』 プラトン『国家』 アリストテレス『形而上学』 プリニウス『博物誌』 『初期ストア派断片集』 セクストス・エンペイリコス『学者たちへの論駁』 プロティノス『エネアデス』 『ナグ・ハマディ文書』 中世 4選 『中世思想原典集成』 アウグスティヌス『神の国』 トマス・アクィナス『神学大全』 オッカム『『大論理学』注解』 近世/近代 10選 ヤコブ・ベーメ『黎明』 カルヴァン『キリスト教綱

                                                                  【最難解名著リスト】おすすめの教養となる本(哲学書)の古典的名著30冊。古典とは何かを知り教養を身につけるおすすめの難しい本  - 日々是〆〆吟味
                                                                • 特集ワイド:旧日本軍の舞台裏「帝国軍人」共著者に聞く 誇張と改ざんの戦史 | 毎日新聞

                                                                  「旧日本軍関係の戦史資料はメーキングが少なくない」--。ベストセラー「独ソ戦」の著者で現代史家の大木毅さん(58)と、広島県呉市の大和ミュージアム館長、戸高一成さん(72)がこの夏に出した対談本「帝国軍人」(角川新書)には、戦後を生きた元軍人たちの証言を基に、当時の公文書や私文書、回想録には書かれていない本音や秘話が満載だ。一方で、そこに書かれたうそや改ざん、誇張の多さも指摘し、戦争を語り継ぐことの難しさを浮き彫りにしている。 2人は、太平洋戦争の軍人証言録を掲載した雑誌「歴史と人物」(中央公論社、1986年休刊)の編集に携わり、当時健在だった旧海軍の軍令部や連合艦隊、旧陸軍参謀本部の元軍人たちの体験談や考えを生で聞いた。 大木さんがフィリピンの第14方面軍参謀副長だった人に手記を依頼した時のことを振り返る。 「『もう年で、自分で書くのは大変。私の話をまとめてくれ』と言うので聞いていると、

                                                                    特集ワイド:旧日本軍の舞台裏「帝国軍人」共著者に聞く 誇張と改ざんの戦史 | 毎日新聞
                                                                  • 日本における戦争への文学的抵抗〜戦争に協力せず関係ないこと書くだけでも抵抗だった - 日々是〆〆吟味

                                                                    日本における戦争への文学的抵抗 ~関係ないこと書くだけでも抵抗だったのだ。 戦時文学と非国民 戦争協力しなかった文学者 谷崎潤一郎 渡辺一夫 神西清 参考となる本 【谷崎潤一郎『細雪』】 【ラブレー『ガルガンチュワとパンタグリュエル』】 【加藤周一『日本文学史序説』】 【チェーホフ『桜の園・三人姉妹』】 日本における戦争への文学的抵抗 ~関係ないこと書くだけでも抵抗だったのだ。 戦時文学と非国民 文化と専制的な政治状況をソ連を例にして書いてみましたが、日本でも戦時中は同じようなことがありました。戦争に協力しない創作は非国民と非難されたのです。 これが厄介なのは、なにも上から言われただけでもないということです。そうではなく、文学者自らが率先して、こんな大変な戦争の最中、能天気な小説など書いていてはいけない、と協力的だったのです。 ですから戦意高揚するような小説や、戦地に赴いて現地記事を書いた

                                                                      日本における戦争への文学的抵抗〜戦争に協力せず関係ないこと書くだけでも抵抗だった - 日々是〆〆吟味
                                                                    • 日本人がもっと、ミル『自由論』と「他者危害原則」に学ぶべき理由

                                                                      ポルノ規制と他者危害原則筆者が大学生の頃に読んだ加藤尚武の『応用倫理学のすすめ』には、次のような一節がある。 「他者危害の原則は、自由主義の基本原則である。要するに、大人が自分勝手なことをするのは、黙って放っておくべきだという考えである。(中略)「たばこを止めるのは、お前の身のためだ」という理由で、禁煙を強制してよいとすると、政府による個人生活への干渉の限度がなくなってしまう。 問題は、ポルノが有害であるかどうかではない。たとえ有害であったとしても政府が個人にポルノ禁止を強制する権限が存在するかどうかが問題なのである。そこで個人の自由を確保する原理が「他者危害の原則」なのである。」(加藤尚武『応用倫理学のすすめ』丸善ライブラリー、1994年、6頁) ポルノの話が出てくるのは、当時は「ヘアヌード」が社会的な議論になっていたからだ。加藤は日本のポルノ規制の議論が自由主義の基本原則である他者危害

                                                                        日本人がもっと、ミル『自由論』と「他者危害原則」に学ぶべき理由
                                                                      • ハーマン・カーン『紀元2000年』の技術予想はそんなに悪いか? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

                                                                        Executive Summary ハーマン・カーン『紀元2000年』(1967) は、クルーグマンのエッセイでは全然予測が当たっていないボケ役に使われていたが、その文の中ですらかなりいい予想をしていると指摘されていて、予測が全然あたらないという文章の主題と全然マッチしていない。実際、中を見てみると非常によい近未来の技術予測になっていることがわかる。 当たらなかったのは、バイオ系と向精神薬系。これは思ったより難しかったようだ。新エネルギーもむずかしかったし、軍事もそう。巨大技術系は全般にうまくいかず、分散型の小規模テクノロジーはかなりうまく当てていることがわかる。巨大技術が当たらなかったのは、むしろ社会の方向性をうまく予想できなかったあたりにありそう。 紀元二〇〇〇年 三十三年後の世界 作者:ハーマン・カーン,アンソニー・ウィーナー時事通信社Amazon 先日訳したクルーグマンの未来予測記

                                                                          ハーマン・カーン『紀元2000年』の技術予想はそんなに悪いか? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
                                                                        • 乗っ取り系ホラーアンソロジー - 村 村

                                                                          最近、架空のアンソロジーを考えることが流行っていると聞いたので。 saitonaname.hatenablog.com proxia.hateblo.jp ポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』が大ヒットしてから、富裕層に対する貧困層の反逆というテーマを通して様々な映画が語られるようになりました。やはり(自分よりは)恵まれている人の家を乗っ取るということは、人間が抱く願望の一つの類型なのかもしれません。 しかし、それは映画だけに限られた類型ではなく、ホラーやサスペンス小説でも脈々と受け継がれている水脈であることを忘れられがちでもあります。一番有名なのは、ヒュー・ウォルポール「銀の仮面」でしょうか。ジャンルを狭く取り過ぎた感はありますが、自分が好きなテーマなのでこのまま行きます。 ≪注意!≫ 家を乗っ取る話だとわかった上で読んだとしても面白さが変わらない小説を選んだつもりですが、小説を

                                                                            乗っ取り系ホラーアンソロジー - 村 村
                                                                          • 空虚な日本と日本文化の世界化と世界から見た日本独自の文化となるヘンテコさ ~太古まで遡る歴史観とは異なる歴史認識の違いと大思想による体系化の欠如による空虚さ - 日々是〆〆吟味

                                                                            からっぽなものと日本的なもの? 三代前の歴史観 【史記/万葉集】 【柳田國男全集/折口信夫全集】 大思想と地理的条件 【アリストテレス全集/中論】 外国人から見た日本の文化って? 【ロラン・バルト『表象の帝国』】 前回のお話 https://www.waka-rukana.com/entry/2020.6.22 からっぽなものと日本的なもの? からっぽな存在(キャラクターやフィクション)がどのように役に立つか、というようなお話をしてみましたが、案外こういうことは普段から当たり前に行なっているかもしれませんね。そのため今更なに言ってんだと思われるかもしれません。しかしこうしたからっぽなものが当たり前にあるということがどちらかというと日本的なのかもしれません。 三代前の歴史観 直接読んだわけではなく孫引きかなにかで読んだ覚えがあるのですが、柳田國男は日本の歴史観というのは基本的に直接に知れる係

                                                                              空虚な日本と日本文化の世界化と世界から見た日本独自の文化となるヘンテコさ ~太古まで遡る歴史観とは異なる歴史認識の違いと大思想による体系化の欠如による空虚さ - 日々是〆〆吟味
                                                                            • 【まとめ】出版社についての逸話/お話(中央公論,大修館,創文社)【15】 - 日々是〆〆吟味

                                                                              まとめ15 出版社についての逸話/お話 このまとめの要旨 書いたものの一覧 現在時間がなくリンク切れのままとなっております。申し訳ありません。 まとめ15 出版社についての逸話/お話 このまとめの要旨 今まで書いたものの中で出版社に関わりありそうなものをまとめてみました。興味あればご覧ください。 書いたものの一覧 www.waka-rukana.com 戦時中に何の役に立たない小説を書き続けていた谷崎潤一郎を中央公論社ががんばって支えていた、ーというようなことも含まれているお話。 www.waka-rukana.com 今もって一級であり、当時世界一であった漢字辞典を作ったという大修館のお話。すごい! www.waka-rukana.com 老舗学術出版社だった創文社が廃業してしまうということを知って、あまりの悲しさに書いたもの。重要な出版物がたくさんあり、それらが新しく得られることがなく

                                                                                【まとめ】出版社についての逸話/お話(中央公論,大修館,創文社)【15】 - 日々是〆〆吟味
                                                                              • フランス革命の影響と社会の変化/混乱に対するバークの異議申し立てという保守主義による保守の誕生 〜既成の社会秩序の維持と破壊への反対という保守思想【バーク『フランス革命についての省察』 】 - 日々是〆〆吟味

                                                                                フランス革命と保守主義の誕生 フランス革命と社会の大混乱 フランス革命と保守主義 〜エドマンド・バークの『フランス革命についての省察』 イギリスと保守的風土 気になったら読んで欲しい本 バーク『フランス革命についての省察』 池田理代子『ベルサイユのばら』 ギタール『フランス革命下の一市民の日記』 トクヴィル『フランス二月革命の日々』 前回のお話 https://www.waka-rukana.com/entry/2019/11/22/190030 フランス革命と保守主義の誕生 フランス革命と社会の大混乱 資本主義が成立することによって経済システムが変わり、それに伴って社会システムも変わってしまい政治システムも変わってしまいました。しかしこんな激変が起こったら、その社会が大混乱に陥るのは目に見えています。事実混乱は起こりました。その際たるものがフランス革命ともいえるかもしれませんね(だって貴

                                                                                  フランス革命の影響と社会の変化/混乱に対するバークの異議申し立てという保守主義による保守の誕生 〜既成の社会秩序の維持と破壊への反対という保守思想【バーク『フランス革命についての省察』 】 - 日々是〆〆吟味
                                                                                • リアリズムで読み解く東北・北越戦争。列藩同盟は誰のために何を目指して戦ったのか | 和樂web 美の国ニッポンをもっと知る!

                                                                                  はじめに 戊辰戦争は戦国乱世の支配地域の奪い合いとは異なり、次代を担う政権のあり方を巡る戦争ですから、政治思想をぬきには語れません。 戊辰戦争の第二幕にあたる東北・北越戦争を、学界は軍事をさておいてイデオロギー面から論じてきました。たとえば石井孝(故人・東北大教授)は先進的な西国諸藩が天皇を核とする絶対主義政権を築こうとしたのに対し、おくれた東北諸藩がルーズな連合体を形成して対抗したという学説を唱えました。 しかし、実際に諸藩の動向を左右したのは軍事的リアリズムです。先進あるいは保守といった観念論は、むしろオマケだったとワタクシは考えています。この記事では両陣営による軍事的リアリズムが、どれほど諸藩を動かしたかについて御披露します。 なお、慶応4年=明治元年は閏年です。旧暦の閏年は 19年間に7回あり、その年は13ヶ月になります。慶応4年の場合は4月と5月の間に閏4月があります。よくある「

                                                                                    リアリズムで読み解く東北・北越戦争。列藩同盟は誰のために何を目指して戦ったのか | 和樂web 美の国ニッポンをもっと知る!