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小田光雄の検索結果1 - 11 件 / 11件

  • 小田光雄 逝去のお知らせ - 出版・読書メモランダム

    小田光雄は、2024年6月8日、病気のため永眠しました。享年73。葬儀は近親者のみにて執り行いました。 戦後社会論をライフワークとした小田光雄の出発点は『〈郊外〉の誕生と死』であり、その延長線上で、出版・古書・図書館など多岐にわたる分野を論じ、多くの著書を残しました。 また、書店や出版社パピルスを経営し、自ら翻訳も手がけました。主な訳書に、エミール・ゾラ「ルーゴン=マッカール叢書」の『大地』があります。 2019年には『古本屋散策』で第29回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞いたしました。 故人が書き残した原稿があるため、本ブログはしばらくの間、更新を続けます。 皆様には生前のご厚誼に心から感謝いたしますとともに、ここに謹んでお報せ申し上げます。 2024年6月12日 家族一同

      小田光雄 逝去のお知らせ - 出版・読書メモランダム
    • 『私たちが図書館について知っている二、三の事柄』批判

      10月16日付け朝日新聞の書評欄に標記の本(中村文孝・小田光雄著、論創社, 2022年8月刊)の書評が出た(https://book.asahi.com/article/14744652)。「とんでもない本を手にとってしまった」で始まる記事の書き手はサンキュータツオという人である。これを要約しておこう。 図書館の数は1970年代からの半世紀で4倍近くになったのに対して、書店は、1990年代以降減り続けている。年間の書籍販売部数よりも図書館の個人貸出冊数の方が多くなった。本の購入はアマゾンをはじめとするネット購入と「公営無料貸本屋」である図書館が代行するようになった。こうなった理由が、図書館流通センター(TRC)のMARCの利便性にあるが、図書館が自らの存在意義を再定義し損ねた部分もあり、それによって職員は嘱託で済ませ専門性を育めることもない。おしゃれで新刊雑誌や書籍をお茶を飲みながら読める

      • ブログ「出版・読書メモランダム」終焉のお知らせ - 出版・読書メモランダム

        小田光雄亡き後も続けてきたブログ「出版・読書メモランダム」もついに終わりの時を迎えました。 2009年から16年間、「古本夜話」と「出版状況クロニクル」の二つの柱を中心に、没後も番外編、同人誌編、さらには第一冊目の著書『消費される書物 西村寿行と大衆文学の世界』の紹介も付け加えて続けてきましたが、ここに長い旅路を終えます。 「出版メモ」から始まり、「消費社会をめぐって」「ゾラからハードボイルドへ」「謎の作者佐藤吉郎と『黒流』」「ブルーコミックス論」「戦後社会状況論」など様々なジャンルを横断しながら、書き続けてきました。 それらの大半は『近代出版史探索外伝』に収録され、「間奏曲のような趣」の「愛着のある論稿」であると本人も「あとがき」で述べておりました。 このたび70冊目の著書として、論創社ホームページに連載されたコラム「本を読む」を単行本化した『近代出版史探索外伝Ⅱ』が4月末に刊行となりま

          ブログ「出版・読書メモランダム」終焉のお知らせ - 出版・読書メモランダム
        • 第8回 ブックオフ肯定論を検討する(その1)

          すでに本連載が始まってから3年ほどになろうとしている。 新型コロナウイルスの流行拡大などを経て、ブックオフをめぐる情勢も変化を余儀なくされてきた。そんななか、ブックオフに対する言説にも変化が見られるようになった。 本連載の目的は、ブックオフというチェーンストアを否定論だけで語るのではなく、その意義や存在の面白さも含めて捉えていくことにある。今後の展望を考えるためにも、本連載が始まって以後のブックオフに対する言説を振り返り、そこでなにが言われ、なにが問題点となっていたのかを考えてみたい。 『ブックオフ大学ぶらぶら学部』の発行 近年、ブックオフに対する言及としてもっとも目立ったものの一つが、『ブックオフ大学ぶらぶら学部』(岬書店、初版は2020年5月に発行。その後、特装版が同年11月に発行)だろう。同書はブックオフの思い出をまとめた本で、武田砂鉄をはじめとする9人のエッセイやマンガが掲載されて

            第8回 ブックオフ肯定論を検討する(その1)
          • 出版状況クロニクル174(2022年10月1日~10月31日) - 出版・読書メモランダム

            22年9月の書籍雑誌推定販売金額は1051億円で、前年比4.6%減。 書籍は635億円で、同3.7%減。 雑誌は416億円で、同6.0%減。 雑誌の内訳は月刊誌が353億円で、同5.2%減、週刊誌は62億円で、同10.5%減。 返品率は書籍が30.9%、雑誌は39.4%で、月刊誌は38.4%、週刊誌は44.7%。 書店店頭売上は大型台風の相次ぐ上陸もあり、書籍9%、ムック10%、コミックス22%といずれもマイナスとなっているが、取次POS調査によれば、総合的にも二ケタ減である。 書店状況は「液状化」しているとしかいいようがない。 *なお今回は変則的に13~15の項目は『私たちが図書館について知っている二、三の事柄』に批判を寄せた根本彰のブログに対する反論を掲載した。 最後までお楽しみあれ。 1.出版科学研究所による22年1月から9月までの出版物推定販売金額を示す。 ■2022年上半期 推定

              出版状況クロニクル174(2022年10月1日~10月31日) - 出版・読書メモランダム
            • 塩山芳明の漫画屋BLOG

              4月6日…先月分の「盛林堂書房」、嫌記棚の返品が届いてるが、重くてたくさん詰まってそう。開ける勇気が出ない。今夜酔っ払ってからに。『日刊ゲンダイ』連載で知ったが、石破総理はクリスチャンなのだと。カップ麺クリスチャン(信仰まで世襲)。踏み絵を出される前に自主的に転ぶな。我が身可愛さに妻&娘の身も即献上。「女房は好きにしていんですが、娘は3回だけにして下さい!」と泣きながら。村上誠一郎共々、世襲政治家はいかに無能で有害であるかを、人々に証明するためだけに生きてるクズ人間ども。一応日本語が分かるのにこの惨状(暗愚売国奴アベシンより罪深い)。検察裏金告発の三井環が亡くなった。失礼ながらご存命とは知らず。デモにご夫婦で参加してるを見かけた(俺も参加)。『忍ぶ川』の加藤剛。学生&青年教師のはずなのに、中小企業の中年セクハラエロ部長に今は見える。 浅野健一のフェイスブックでの発言は9割方納得が(町山智浩

                塩山芳明の漫画屋BLOG
              • 今週のはてなブログランキング〔2024年6月第3週〕 - 週刊はてなブログ

                はてなブログ独自の集計による人気記事のランキング。6月9日(日)から6月15日(土)〔2024年6月第3週〕のトップ30です*1。 # タイトル/著者とブックマーク 1 【ChatGPT】英語学習用に素敵な先生を錬成したよ! - はげあたま.org by id:hageatama- 2 ご奉仕チキンレースで均衡する出世水準 - やしお by id:Yashio 3 エスカレーターの右側に乗ったらおっさんに背中押された - にげにげ日記 by id:nigenige110 4 大公開!バッチアプリケーションの品質を高めるZOZOの『バッチ開発ガイドライン』 - ZOZO TECH BLOG by id:vasilyjp 5 C言語をマスターしたい人はGCCのバージョン14を使いましょう - pyopyopyo - Linuxとかプログラミングの覚え書き - by id:pyopyopyo 6

                  今週のはてなブログランキング〔2024年6月第3週〕 - 週刊はてなブログ
                • 日本の古本屋 / 「私たちが図書館について知っている二、三の事柄」を読むにあたって

                  図書館には国会図書館から専門、大学、学校、私設の図書館まであるが、この本では公共図書館について述べている。 公共図書館は地方自治体が税金を原資に運営している関連施設のひとつで、利用されたことのない人はほとんどいないはずだ。が、多くの利用者は、税金で運営されている他の公共施設と同様に、図書館を「無料」の貸本屋としてしかみていないのではないか。そこがまず最初の問題だ。 図書館の貸出冊数が書店の推定販売冊数を超えたのが、2010年だが、それ以降は差が拡がるばかりだ。今や本を読むとは、本を買うことから始まるのではなく、借りることからになってしまった。 せめて文庫や雑誌などの廉価本は、購入することを心がけねば、読者としての矜持を失うばかりでなく、出版界の基礎体力を奪ってしまい、本を刊行し続けることが叶わなくなってしまう。 テレビや新聞が、その使命を報道から権力の広報へシフトし、SNSがいまいちその信

                  • 中村文孝、小田光雄「私たちが図書館について知っている二、三の事柄」 本の流通、観察続けた歴史の証言|好書好日

                    とんでもない本を手に取ってしまった。 『リブロが本屋であったころ 出版人に聞く〈4〉』の中村文孝氏と、『古本探究』『出版状況クロニクル』などのシリーズを手掛けた小田光雄氏。昨年の『全国に30万ある「自治会」って何だ!』に続く対談本だ。 ともに70歳を過ぎた両氏は、1970年代から出版の世界にあって、書籍の流通の推移を見守ってきた。作家として、あるいは消費者としてだけ本の世界を見るのではなく、営業、販路、取次も含めた本の流通の動きを観察し続けた結果、今回のような歴史証言の書が成った。 その切り口が「図書館」である。 図書館の数は70年代からの半世紀で、4倍近くになったという。 「一館あたりの蔵書数も4倍になっているから、大型化もしているね。登録者数と貸出総数はその倍の8倍近くになっている。(略)でも一館あたりの専任職員数は半分になってしまった。これは何を意味しているのだろう」(中村氏) デー

                      中村文孝、小田光雄「私たちが図書館について知っている二、三の事柄」 本の流通、観察続けた歴史の証言|好書好日
                    • 国立国会図書館デジタルコレクションで読める怪奇幻想文学(2025年6月22日追記,2024年公開開始)|門前照二

                      こちらは2023年9月に公開した「国立国会図書館デジタルコレクションで読める怪奇幻想文学」を大幅に増補した記事です。 過去記事はこちら 既にお読みいただいている方や、国立国会図書館デジタルコレクションへの個人送信サービスを利用中の方は本記事をこのままお読みください。 国書刊行会の『幻想文学大事典』の付録「本邦怪奇幻想文学叢書リスト」より、国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能な書籍を編年形式でまとめています。 なお、森鴎外や堀口大学のアンソロジーなど、怪奇幻想文学の歴史上特に重要な翻訳や叢書はリスト外からもピックアップしています。 叢書やシリーズはできるだけまとめており年代順ではない箇所が多分にありますが、この方が読みやすいと信じてそのままに書き並べています。 トップ画像の出典:ニューヨーク公共図書館デジタルコレクション”Apparitions”より”Mr. Jaggers echo

                        国立国会図書館デジタルコレクションで読める怪奇幻想文学(2025年6月22日追記,2024年公開開始)|門前照二
                      • 第10回 出版界を震撼させた全日空羽田沖墜落事故 | 皓星社(こうせいしゃ) 図書出版とデータベース

                        河原努(皓星社) ■出版界で一番の大事故 出版関係者の訃報調査をしていると、全く同じ日に亡くなっている人を見つけることがある。光文社社長を務めた五十嵐勝弥と地人書館創業者である上條勇は同じ昭和50年1月2日に亡くなっているが、これは全くの偶然だ。しかし、同じ事件・事故に巻き込まれて亡くなるということもあり、本連載の第三回で取り上げた広島への原爆投下はまさにそういった例である。原爆や東京大空襲、関東大震災といった死者の数が不明な大事件は別として、一度に著名な出版関係者が亡くなった事故は何かといえば、41年2月4日に起こった全日空羽田沖墜落事故であろう。この航空事故は当時航空史上最大の惨事と言われ、搭乗していた133人全員が死亡した(※1)。出版関係者の生没も含めて出版界の出来事を記録した『出版百年史年表』(日本書籍出版協会、昭和43年)には次のように記載されている。 2.4 全日空ジェット旅

                          第10回 出版界を震撼させた全日空羽田沖墜落事故 | 皓星社(こうせいしゃ) 図書出版とデータベース
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