国立国会図書館調査及び立法考査局 外国の立法 255(2013. 3) 211 裁判所(以下「地裁」という)で、有罪判決を 受けた⑴ 。被告人は控訴したが、スヴェア高等 裁判所(以下「高裁」という)でも、2011 年 1 月 28 日の判決により、有罪となった。しかし、 最終的に、2012 年 6 月 15 日、最高裁判所(以 下「最高裁」という)は、本件につき、無罪の 判決を下した。第 1 審、控訴審とも、問題とさ れたマンガイラストは、刑法上の児童ポルノ図 画に該当し、 それらのコンピュータでの保存は、 刑法で処罰される児童ポルノの所持に当たると していたが、最高裁は、マンガイラストは、ス ウェーデンの憲法的法律である統治法⑵ が認め る、法律に基づく人権の制限を行うほど、刑法 上の違法性を有しないと判断した。 本稿では、第 1 審及び控訴審と上告審との相 違点を関係法律を含めて概説し