テレビドラマや映画などでよく描かれる江戸時代の人々。日々の暮らしは現代とは大きく異なっていたはずですが、「お金の面」ではどうだったのか――。日本近世史学者の大石学氏が監修した『江戸のお勘定』より一部抜粋・再構成してお届けします。 「住みよさランキング2021」全国総合トップ50 同書では、比較的物価が安定していたとされている文化・文政年間(1804~1830)を基準とし、金・銀・銭の換算は、幕府の換算基準値の1両=銀60匁=銭4000文としています。また、当時はそば1杯が16文だったことから、現代の価値に換算して1文を30円、そこから金1両を12万円と計算しています。 ■男性が極端に多かった江戸の町 天正18年(1590)8月1日、豊臣秀吉の小田原攻めの戦後処理の一環として、徳川家康は江戸に封じられ入った。従来、江戸は寒村であったとされてきたが、今では否定されている。当時の江戸は利根川をは