「世界の工場」と称される中国で、製造業に従事する中小企業の倒産が相次いでいる。欧米の景気低迷を受け、南部で深刻化した企業の危機は他地域にも拡大。資金不足、人民元高、人材難といったさまざまな重荷が企業に重くのしかかっている。(フジサンケイビジネスアイ 上海支局)珠江デルタで1000社 中小企業の倒産危機が早くから顕在化したのは中国南部。輸出企業が密集する珠江デルタ地域を中心に、金融危機で萎縮した欧米市場の悪影響が大きく出た。当局は企業の倒産ラッシュを否定しているために公式発表のデータはないが、「珠江デルタ地域だけで倒産企業は1000社単位に上る」との報道がある。 香港紙の香港経済日報(電子版)によると、輸出を主力とするデニム製品工場約2000社がひしめく広東省仏山市では100社超の企業がすでに閉鎖。「玩具の町」として知られる同省東莞市石排鎮では小規模工場の6割が操業停止の状態という。 政府系