「今日われわれが話し合うだろう問題の一つは、疑いもなく、香港の情勢だ」。米国のケリー国務長官は1日、ワシントンを訪れた中国の王毅外相との会談に先だって、こう表明した。周知の通り香港では、2017年の次期行政長官選挙の仕組みをめぐり中国共産党政権が打ち出した政策に反発する学生らが、街頭活動を繰り広げていた。デモの参加者たちが活動の象徴として雨傘を持ち出したことから「雨傘革命」と呼ばれる動きだ。オ
間もなく、長江から北へ首都・北京まで続く全長1200キロの運河への水門が開かれ、中国屈指の土木プロジェクトの中核要素が完成する。 新たな水路は、世界最大の引水構想の一部に過ぎない。これまでに運河建設と、運河に水を送る中国中部の貯水地拡張への道を開くために、30万人以上の人が住まいを追われた。 だが、政府は急いでおり、こうした住民の苦情を気にも留めてこなかった。 深刻な水不足、運河開通も一時しのぎ 中国の指導者たちは、すでに何百億ドルもの資金を投じた「南水北調」プロジェクトは、国の発展と安定を脅かす水問題を解決するために極めて重要だと考えている。北京周辺の穀倉地帯では、1人当たりの水の量がニジェールやエリトリアといった極めて乾燥した国々と同程度しかない。 水の過剰使用で数千もの川が消滅した。地下水面が低下し、川が干上がるにつれて、手に入る水の量が急激に減っている。残っているわずかな水は多くの
・トンデモ本のローカル化 ネットでその存在を知ってからずっと読みたかった本が日本から届いた。原田実氏の『江戸しぐさの正体-教育をむしばむ偽りの伝統』である。 江戸っ子たちの行動哲学とも言われ現代では教育現場にも取り入れられている『江戸しぐさ』がそもそも一人の老人の与太話だと喝破したのが本書である。 私はこの本をネットで見かけるまで『江戸しぐさ』など聞いたこともなく、またそれがどれだけ胡散臭い代物なのかも知らなかったが、要するに史料が現存していないことを口実にありもしない江戸時代の礼儀作法を広めている運動だと知ってふと思った。『江戸しぐさ』関連の書籍を中国で売ったらそこそこ売れるんじゃないか、と。 中国には日本でニセ科学やニセ健康本(以下、トンデモ本と統一する)というレッテルを貼られた本が翻訳されて正式に売られているのである。 例えばトンデモ本としては酷く有名で本書『江戸しぐさの正体』でも取
米ニューヨーク(New York)マンハッタン(Manhattan)の路上で眠るホームレスの人(2014年8月22日撮影、資料写真)。(c)AFP/Getty Images/Spencer Platt 【10月4日 AFP】経済協力開発機構(OECD)は2日、世界の富裕層と貧困層の格差の拡大は1820年代と同じ水準にまで悪化しているとの報告書を公表し、こうした変化は過去200年で「最も憂慮すべき」事柄の1つだと警告した。 過去2世紀の世界の生活状態を調べた報告書の中でOECDは、所得の不均衡が急速に拡大したのはグローバル化が進み始めた1980年代以降だと指摘している。 調査では25か国の1820年以降の所得水準を調べ、世界が一つの国であるとみなしてデータを突き合せて比較したところ、世界の所得格差は東欧各国における共産主義の台頭などに代表される20世紀半ばの「平等主義革命」によって急速に縮小
筆者の中学・高校の同期生であるO君は、かつて日本でテレビプロデューサーとして名を馳せたが、今は北京在住で、中国滞在はすでに10年になる。そのO君が一時帰国していた8月に東京で会った際に、9月初旬に北京へ行く予定だと告げると、「北京市に隣接した河北省の“宋庄”という所に芸術家が集まって暮らす“芸術村”があるから行ってみないか」と誘われた。北京国際空港から市内へ向かう途中に芸術村があるという話は聞いていたが、どうやらそこではないらしい。興味が湧いたので、是非とも連れて行って欲しいとO君に依頼した。 北京在住の旧友と、栄庄芸術村へ 9月4日に北京入りした筆者は、翌5日にO君と再会して宋庄行きの日程を打ち合わせたが、土曜日と日曜日には美術オークションが行われるとのことなので、13日の土曜日に宋庄へ同行してもらうことになった。9月13日の朝10時に待ち合わせ場所の地下鉄6号線の「平安里駅」のホームで
カバーやその紹介文などからみると、経済学というツールでさまざまな社会現象を切ってみせたスティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー『ヤバい経済学』の類書のように思えますが(実際、帯にはスティーヴン・D・レヴィット「経済学の本で、こんなに楽しくて重要なものはないんじゃない?」との推薦文を寄せている)、実は開発経済学の本。 開発経済学の現場に立ちはだかる不正や腐敗や汚職、そういったものを何とか経済学の力で解決できないかと二人の経済学者が奮闘した記録がこちらの本になります。 腐敗撲滅の秘策や、腐敗した国家のもとでも有効な援助の方法といったすごい解決策が提示されているわけではありませんが、援助と不正をめぐるいくつかの面白い切り口が紹介されています。 目次は以下の通り。 第1章 経済開発に向けた戦い 第2章 スハルト株式会社 第3章 密輸ギャップ 第4章 氏か育ちか?腐敗の文化を理解する
香港政府トップの行政長官選挙で立候補資格を制限することに対して抗議する民主派学生らの座りこみ占拠運動は一般市民も合流するなど、香港では民主派勢力が勢い付いている。そんななか、香港出身の著名スター、周潤發(チョウ・ユンファ)氏や劉徳華(アンディ・ラウ)氏らも続々と学生への支持を表明している。 この裏には、香港警察が初日に催涙弾を使用したうえに、学生らと衝突して多数の負傷者を出したことへの抗議が含まれており、政府側の作戦ミスといえそうだ。 香港警察は9月26日深夜から27日早朝にかけて、座りこみを続けていた学生らを目掛けて、多数の催涙ガスや催涙スプレーを発射したうえで、数千人の警官隊が出動し、学生らと衝突し、数十人が負傷し、学生60人以上を逮捕した。 これに対して、チョウ・ユンファ氏は10月2日付の香港紙「リンゴ日報」のインタビュー記事のなかで、「香港政府のやっていることは間違っている」と指摘
たぬきです。明日の朝は大風で関東は大変になる予定らしいですね。雨傘の出番もないレベルかしら。 さて、なんか一昨日のエントリが大人気でめんくらってます。有名人のブ熊とかついててたぬき寝入り(びっくりして仮死状態)するレベル。「突撃お前が晩御飯」状態です。 それにしてもみんなお姫様が好きですか、そうですか。ゲスの極みですが、これでくだんの彼女が林志玲みたいな靚女だったらもっとおもしろいんですけどね、残念。ま、そういうきれいどころだったら、件の新聞記事みたいのは出てこないんでしょうから、見た目での差別というのは、どこでも厳しいですな。ま、今回はそれにちょっと加担しちゃったみたいで、モヤモヤしてもいるのですが。個人的には誰もYOUTUBEのキャプチャについて言及してくれなかったのがさみしいところです。 ところで、元栗原のファンの方のツイートを見て、昨今の違和感の源泉について気付いたのでメモしておき
格差というものは、どこまで拡大したら懸念すべきなのだろうか。これは道徳や政治の問題だが、経済の問題でもある。今日では、格差はある点を超えると重大な経済問題をもたらすとの認識が広まっている。 世界で最も重要な高所得国であり、国内の格差が図抜けて著しい国でもある米国は、格差が経済にどんな悪影響を及ぼすかを教えてくれる試験台になっている。その結果は憂慮すべきものだ。 この認識は今や、普段なら社会主義だと指弾されることのない金融機関などにまで広がっている。格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の米国チーフエコノミストの手によるリポートと、大手金融機関モルガン・スタンレーのリポートは、格差は拡大しているだけでなく米国経済に打撃を与えているとの見方に同意している。 米国に見る所得格差の拡大 米連邦準備理事会(FRB)によれば、2013年の米国では、所得階層の最上位3%の世帯が全世帯の所得合
「普通選挙」の導入を巡って、大きく揺れる香港の街を歩いた。 中心部の幹線道路を埋め尽くした何万人もの学生ら。至る所に貼られた民主を求めるスローガン……。 深夜、そこに向かって催涙弾の白い煙の筋が放たれたとき、香港の人が思い起こしたのは、25年前の天安門事件のことだった、と聞いた。 「香港でこ… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
強制排除が始まるのか、対話に向かうのか。3年後の香港政府トップを決める行政長官選挙の改革をめぐり、民主派が香港中心部で続ける占拠は5日で8日目を迎えた。政府と民主派は互いに対話を模索し始めたが、解決までにはまだ曲折がありそうだ。 政府庁舎が集まり、最も大規模な占拠が続く金鐘(アドミラルティ)では、日が傾くにつれて大通りに続々と人が集まり、高校生や大学生など30代以下の若者で埋まった。「民主」「香港頑張れ」。壁一面に紙が貼られている。 夜の集会は、学生団体の周永康・事務局長が「政府に誠意が全くないと思えば、占拠は必然的に続くだろう」と声を張り上げ、大きな拍手を浴びた。大通りでは午後11時を過ぎても数千人の参加者が残り、夜を明かす準備をしていた。 占拠デモには自発的に集まった… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員にな
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