トイザらスという魔宮がある。 入り込んだら最後、なかなか外には出られない。昨日は軽い気持ちで足を踏み入れたことで、2時間あまりの拘束を余儀なくされた。 トイザらスに入る前は、とかく順調に行程が進んでいた。厄年の妻と一緒に住吉大社を訪れ、厄払いをしてもらい、その後は難波に移動して、子連れでものんびりできるお店でイタリアンを食した。 さぁて、あとは娘にオモチャでも買ってあげて家に帰ろうか。そんな暢気な気持ちで敷居をまたいだのが、なんばパークスのトイザらスだったのだ。 抱っこから降ろすと、娘は「うわぁ」と言いながらフロア内を巡り始めた。平日だったのでいつもより人が少ない。私は微笑みながら彼女の後をついて回った。 キャラクターに反応し声をあげ、サンプルで置かれているオモチャで夢中に遊び、気まぐれで手に取ったものを意味もなく私に手渡してきた。 「このまま娘のペースで見て回ってても買うオモチャなんて一