昨年、世界ではいろいろな動きがつづいた。トランプ候補の当選、EUをめぐるヨーロッパの混乱、中東やロシア、中国、韓国でも国の内外とのさまざまな摩擦が発生した。日本でもTPPから「農協改革」、日銀のマイナス金利、原発再稼働、年末に突然提出されたカジノ法案、年金引き下げや医療費の負担増加などいろいろな動きが起こった。 重要なことは、これらの動きの奥には共通する要因が潜んでいるということである。それは一言でいえば、市場経済の行き詰まりだといってもよい。どこの国でも思うような経済成長が実現できなくなってきた。その状況のなかで格差が広がり、新たな「下層階級」が発生してくる。アベノミクスというかけ声とは裏腹に、安倍政権時代の経済成長率は、民主党時代より低い。この要因からアメリカやヨーロッパでは既成の政治、経済システムへの不信が生まれ、トランプ候補の当選や国家主義的、排外主義的な潮流の拡大を招いている。ロ