遺伝子を正確に効率よく改変できる「ゲノム編集」という技術が爆発的に普及しつつある。一方、今年4月に中国の研究チームがこの技術を使ってヒトの受精卵を改変したと報告し、物議を醸した。米英中の学術団体は今月、ゲノム編集をヒトに使う是非を大規模な国際会議で議論し、基礎研究を容認する声明を発表した。各国でのルール作りに向けた一歩だが、歯止めの弱さを懸念する声もある。【須田桃子、大場あい】 米科学誌サイエンスは今月、今年の「画期的な研究」の1位に最新のゲノム編集技術を選んだ。理由の一つは、中国の研究チームによるヒト受精卵の改変だ。英科学誌ネイチャーも「今年の10人」に、この論文を発表した研究者を選んだ。