既に過去の存在と思っていた名前を春先、米国の映画祭のニュースで見つけた。A・ウェイクフィールド元医師。自ら監督したMMR(はしか・おたふくかぜ・風疹)ワクチンと自閉症の関連を主張するドキュメント映画を上映予定だったが、「科学的信ぴょう性が低い」と批判が集中して、急きょ上映が中止された。 ウェイクフィールド氏が注目されたのは1998年。「MMRワクチン接種が子どもに自閉症を起こす」という「論文」を英医学誌に発表した。影響は大きく、各国で予防接種を避ける保護者が続出、英国のMMRワクチン接種率は低下した。 その後、自閉症の子どもを意図的に含めていた不正が判明。2010年に論文は撤回され、医師免許も剥奪された。MMRワクチンと自閉症の関連は明確に否定されている。しかし不信は簡単には消えない。根拠のない「トンデモ医療」を吹聴する人々もいる。1月にフェイスブック創業者、M・ザッカーバーグ氏が予防接種