円安・株高も伸びぬ消費=アベノミクス3年半の明暗【16参院選】 参院選では、 安倍晋三 首相が「エンジンをもう一度、最大限吹かしていく」と強調した経済政策「アベノミクス」の評価が問われる。2012年12月の第2次安倍内閣発足から3年半。日銀の金融緩和が円安・株高を演出し、春闘では3年連続の賃上げが実現した。しかし、物価の影響を加味した実質賃金は減少しており、国内総生産(GDP)の約6割を占める個人消費も低迷が続く。 ◇黒田緩和で相場反転 安倍政権はデフレ脱却に向け、アベノミクスとして、大胆な金融緩和、機動的な財政出動、構造改革を含む成長戦略の3本の矢を掲げた。 日銀の黒田東彦総裁が就任直後の13年4月に大規模な国債購入を柱とする量的・質的金融緩和策の導入を決めた。2%の物価上昇を目標にデフレ脱却を目指す日銀の政策は、金融市場で「黒田バズーカ」ともてはやされた。11年3月の東日本大震災