個性的な建物が多い東京でも一際目を引く「中銀カプセルタワービル」は、最初のカプセルホテルを作ったことでも知られる建築家の黒川紀章氏が設計したマンション(1972年に公開)。1960~70年代に流行した建築運動「メタボリズム」を代表する建築です。メタボリズムとは、生物学の用語で「新陳代謝」を意味します。 ビルの名前にもなっている特徴的なカプセルは、1つ1つが取り外し可能で、25年ごとに新しいカプセルに交換することが想定されていました。そうすることで建物の基礎構造はそのままに、カプセル部分が「新陳代謝」することで、古く且つ新しい状態を保つことが考えられたのです。 このビルは現在も大人気で、賃貸カプセルに空きができてもすぐに希望者で埋まってしまうそうです。しかし、当初の計画と違って、実際は建設以来カプセルが交換されることはなく、現在多くのカプセルが老朽化して、建物自体の取り壊し計画も取り沙汰され