ブログを始めた頃は、日常を記録することに躍起になっていた。メモやツイート、記事や写真など、あらゆるデータをEvernoteに保存して、後で見直そうと考えていた。2009年頃の話だ。 だが、後で見直すことはほとんどなかった。何年かして振り返れば懐かしむことができたのかもしれないが、当時は記録することに価値を見出すことができなかった。手段が目的と化していたのだろう。 パソコンのデータもバックアップしていなかった。消えても音楽や映画はまたダウンロードすればいいし、文章だってまた書けばいい。 ブログを始めてから2回ほどパソコンが壊れてデータが消えたが、それほど困らなかった。仕事のデータが含まれていないという理由もあるが、「思い出せないものは必要のないもの」という考え方だったのだ。 ただ、写真だけは後悔した。写真は二度と戻らない。子供が小さい頃の写真や、一眼レフカメラを手に入れた頃の情熱のある写真。