学生時代、わたしたちは「クラス」という名の小さな箱のなかに閉じ込められて過ごします。 1日の大半をそこで過ごす「教室」というのは当時の人生のすべてで、社会の縮図のような場所。 わたしも中学、高校、大学と、我ながら「八方美人」として過ごしてきました。 頼まれごとも断らず、中学時代は隣の男子のパシリとしてなぜかそいつの本をロッカーにぶち込まれたり、宿題をやらされたりしても嫌な顔をせずにこなし、クラスのボス的な女の子に嫌がらせをされたときもヘラヘラとしてやり過ごしていました。 諦めていたんです。 そんな教室から逃れて入学した大学でも、「八方美人」の仮面は剥がせませんでした。 わたしはバンドサークルに所属していたのですが、そこではライブのたびに「会議」が開かれ、「ボーカル」「ギター」「ベース」「ドラム」「キーボード」と、パーティを組むようにメンバーを集めるしきたりでした。 そこで選ばれるのは、何も