羽入佐和子国立国会図書館新館長インタビュー 国立国会図書館(NDL)の大滝則忠館長が2016年3月31日付けで退任し,翌4月1日付けで羽入佐和子が第16代の館長に就任した。これまでの経歴やNDLへの印象,これからのNDLや図書館のあり方について羽入新館長にインタビューを行った。 ――館長は哲学の研究者でもいらっしゃいますが,研究者となるまでについてお聞かせください。 教育熱心で自由な雰囲気の家庭に育ちました。当時はまだ女性の大学への進学率が一桁程度でしたが,女子にも高等教育を受けさせるというのが両親の考え方でした。大学に入るまでは,どちらかというと理系分野,特に宇宙やコンピューター,ロボットなどに興味をもっていました。大学はお茶の水女子大学(以下お茶大)に進学して哲学を専攻したのですが,今で言うAI(人工知能)と人とはどう違うのだろう?人間とは何か?といったことに関心を抱いていました。 学