
2025年7月31日付けで、Chinese American Librarians Association(CALA)が発行する図書館情報学分野の査読誌“International Journal of Librarianship”に、図書館情報学分野のジャーナルにおける生成AI利用に関する透明性の現状を調査した論文“AI in Scholarly Publishing: A Study on LIS Journals’ Guidelines and Policies”が掲載されています。著者は米・ヒューストン大学のWenli Gao氏等です。 図書館情報学分野のジャーナル45誌を対象として、出版ガイドラインやポリシーから論文の投稿、査読、編集における生成AIの利用に関する記述を調査し、出版者ごとの特徴やインパクトファクターとの関連等を分析しています。結果として、45誌中31誌が生成AIツ
2025年8月4日、学術コミュニケーションと出版に関する査読誌“Learned Publishing”の38巻4号に、ChatGPTは学術論文の撤回やその他の信頼性に関する懸念を考慮しているかについての論文“Does ChatGPT Ignore Article Retractions and Other Reliability Concerns?”が掲載されています。著者は、英・シェフィールド大学のMike Thelwall氏等です。 ChatGPT-4o miniを用いて、公開された学術論文の撤回やその他の懸念点を認識できるかどうかを試したところ、これらの情報は認識又は考慮されていないことが示されたとし、大規模言語モデルによって作成された文献要約には誤った情報が含まれている可能性があるため、ユーザーは注意する必要があると述べています。 Thelwall, Mike; Lehtisaar
2025年8月6日付けで、米国・国立科学財団(National Science Foundation: NSF)の傘下の統計機関であるNational Center for Science and Engineering Statistics(NCSES)が、オープンアクセス(OA)出版に関する国際的な動向を考察した記事“Open-Access Publishing in a Global Context”をウェブサイトに掲載しました。 出版物のメタデータのデータベースScopusを用いて、2003年から2022年までのOA出版物に関する世界の状況を調査しています。 主な調査結果として、米国と中国の研究者は、出版数全体では依然としてクローズドアクセスが主流であるものの、過去20年間でOA論文の出版が増加傾向にあることや、多くの低所得国では高所得国よりもゴールドOA論文で出版する割合が高いこ
2025年7月30日付けで、米国の非営利出版者Annual Reviewsによる世界の図書館員、出版者、ベンダー向けのオンライン雑誌“Katina”に、カタール国立図書館(QNL)によるオープンアクセス(OA)に係る取組についての記事“Laying a Foundation for Qatar’s Open Science Future”が掲載されています。著者は、カタール国立図書館のAlwaleed Alkhaja氏です。 QNLは、カタールにおけるOA出版を支援するための基金を創設する計画を2015年に発表して以来、様々な取組を行ってきたとし、これまでの実績、直面した課題、カタールにおけるOAの将来等について論じています。 Laying a Foundation for Qatar’s Open Science Future(Katina, 2025/7/30) https://kat
2025年6月25日、ORCIDとその他の研究者識別子との連携に関する事例研究がリポジトリZenodoで公開されました。執筆者は、学術コミュニケーション等に関するコンサルティングを専門とする英国の団体MoreBrains CooperativeのJosh Brown氏とAlice Meadows氏です。 記事では、研究者識別子の事例として、国別、研究分野別、サービス提供機関等による独自のもの(Clarivate社のResearcherID等)を挙げて考察を行い、それらの識別子と国際的な識別システムであるORCIDとの連携の有効性を説いています。また、ORCIDとその他の研究者識別子とのより良い連携協力を促進するため、次の取組を提言しています。 ・ORCIDが、国別や研究分野別の識別子提供機関と積極的に連携すること ・ORCIDが、他の研究者識別子と連携し、統合の改善を図ること ・研究者識別
2025年7月21日、名古屋大学デジタル人文社会科学研究推進センターのウェブサイトにおいて、Humanitextプロジェクトによる、青空文庫の文学作品群を対象とした対話型AIシステム「Humanitext Aozora」の公開が発表されました。 Humanitextプロジェクトは、同センターの岩田直也准教授、桜美林大学の田中一孝准教授、東京大学の小川潤助教によるプロジェクトです。「Humanitext Aozora」は、青空文庫の膨大なテキストデータに対し、大規模言語モデル(LLM)と検索拡張生成(RAG)技術を組み合わせたシステムで、利用者は自然な対話を通じて、作品の深い内容理解や、複数の作品を横断するテーマの探求を手軽に行うことができるとあります。Humanitext Aozoraの主な特徴として、高度な検索機能と、利用者の目的に合わせた四つの対話モードが挙げられています。 【研究ニュ
2025年7月24日、学術研究分野のコンサルタント企業であるDelta Think社が、米国政府による研究資金削減の影響に関する調査結果を発表しました。 Delta Think社では、2025年春に、27の学術団体等と協力し、米国政府による研究資金削減の影響の把握に向けた、研究者を対象とする世界規模の調査を実施しました。135か国から1万3,000人以上が回答したとあります。 調査結果として、特に米国を拠点とする研究者は強い懸念を示しており、その62%が、今後1~2年間で自身の論文発表件数が減少すると予想しており、その理由として政策や資金面の課題を挙げているとしています。また、国際的に活躍する研究者は、米国を拠点とする学術誌から距離を置く意向を示しており、その50%が、論文を米国以外の学術誌に投稿することが重要であるとしていることなどが紹介されています。 Delta Think社は、202
2025年7月、オープンアクセスのための国際的なアグリゲーションサービスCORE(COnnecting Repositories)のブログに、発足15周年に関する記事が掲載されています。 COREは、2025年7月で発足から15年を迎えます。英国の小規模なプロジェクトとして開始されてから、10,000以上のリポジトリとジャーナルをサポートするグローバルな索引プラットフォームへと成長するまでの軌跡について、端的にまとめられています。 CORE at 15: Together Building Open Access, Unlocking Global Knowledge(CORE, 2025/7/10) https://blog.core.ac.uk/2025/07/10/core-at-15-together-building-open-access-unlocking-global-kn
Library & Information Science Research誌の47巻3号に、米国の学術図書館員のキャリアパスが与える影響に関する記事“The career pathways of academic librarians: A kaleidoscope career model analysis of faculty identity and institutional engagement”が掲載されています。著者は、米・アビリーン・クリスチャン大学のJames A. Wiser氏です。 学術図書館員としてのキャリアがファーストキャリアかセカンドキャリアかによって、教員としての地位、テニュア(終身雇用)プロセス、機関への忠誠心等にどのように影響するかが考究されています。類似する二つの研究大学の図書館員18人(各大学9人ずつ)を対象に、半構造化インタビューを用いて実体験が調
2025年7月19日付けで、査読付きオープンアクセス誌Journal of eScience Librarianshipの14巻1号に、データサイエンス分野における図書館の役割に関する論文“Data Please!: Expanding the Role of Libraries in Data Science through Digital Scholarship”が掲載されています。著者は、米・ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のHalie Kerns氏です。 大学図書館は、データサイエンスの活動を支援する上で有利な立場にあるとし、STEM及び関連分野の同校教職員と大学院生26人にインタビューを行い、図書館が提供すべき支援やサービスについて調査しています。調査の結果、データサイエンス分野において図書館は重要なハブとしての役割を担っているとし、今後強化しうる主な領域として、アウトリーチ活
学術情報流通に関連した話題を提供する学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)が運営するブログ“The Scholarly Kitchen”に、2025年7月23日付けで、ブログ記事“Beyond Access: Untangling Copyright Confusion in Asian Open Access Journals”が掲載されています。著者は、学術出版に係る優良事例のアジアでの普及に取り組む団体Asian Council of Science Editorsのコミュニケーション・ディレクター等を務めるMaryam Sayab氏等です。 アジア地域全体でオープンアクセスの導入が進んでいるものの、多くの場合、統一されたポリシーやインフラが整っていないとしています。特に、多くのジャーナルでは、ライセンスと著作権について法的に曖昧さが
2025年6月、文化遺産機関におけるオープンライセンスモデルに関する文献“Open Licensing Models in the Cultural Heritage Sector”がリポジトリZenodoで公表されました。著者は英・グラスゴー大学のBartolomeo Meletti氏等です。 四つの異なる法域(英国、EU、米国、ブラジル)における文化遺産機関(博物館、文書館、図書館、美術館)が採用している、デジタル文化遺産に係る様々なオープンライセンスについて調査し、利点や課題等をまとめています。 Meletti, Bartolomeo; Erickson, Kristofer; Iramina, Aline; Stobo, Victoria. Open Licensing Models in the Cultural Heritage Sector. Zenodo, 2025. ht
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