船舶同士の事故については、どちらに回避義務があったかが捜査の焦点になる。海保は今後、事故当時の双方の位置や進路を詳しく調べる。 海上衝突予防法は、一方の船が相手の船を追い越す場合、確実に追い越して相手から十分に遠ざかるまで、相手の進路を避けなければならないと定める。追い越される側は進路と速力を維持しなければならない。双方の進路が交差する「横切り」の場合は、相手を右に見る船に回避行動を取る義務がある。 今回の事故では、コンテナ船は左舷の船首近く、イージス艦は右舷が損壊した。コンテナ船が右後方から接近した可能性があるが、「追い越し」か「横切り」かの判断は、乗組員の聴取や航海データの分析を踏まえて慎重に行うことになる。